自分の将来(仕事)について
「将来どうなりたいか」と聞かれて、俺はずっと「映画監督」と答えてきた。
会社員として監督を目指す道は無いものかと思い、日本でやるならアニメが面白そうだと思った。
そして今の会社に入った。
でも配属されたのは企画製作の部署で、制作現場には付けなかった。プリプロダクションに関われるという嬉しさ半分、悔しさ半分。複雑な気持ちだった。
入社してもうすぐ1年が経とうとしている今、「映画監督になりたい」という気持ちは薄れていると言っていい。
いや正確には、専業監督になりたいという気持ちのみ薄れた。自分オリジナルの作品を自分で監督したいという気持ちはまだ強く残っている。
それなら自主制作でいいじゃないか、仕事としては川村元気さんのように、「物語」を掘り下げていく方向に頭を使おう、と思うようになった。
将来プロデューサーになりたいとか、監督になりたいとか、そういう肩書きを求める気持ちもキャリアを重ねる上で大事だとは思う。
でも実際この仕事をする上では、どんな物語を世に発信したいかという信念こそ不可欠だと思う。
もっとも、物語を世に発信する職業なんて無数にある。
漫画や小説の編集者だってそうだし、プロダクトに物語が詰まっているという意味ではメーカーの企画開発だって当てはまるかもしれない。
俺はそれらの仕事に同じくらい価値を感じる。「アニメじゃないといけない」とは決して思っていない。
ただ、「今日本で物語を作るなら、アニメが面白そう」という直感に従ったということだ。
だからいつも、「なんでアニメなの?」と聞かれると答えに困る。相手を納得させられるような理屈づけを試みるけど、俺の本心は理屈の外にある(つまり上記の「直感」も、本心を100%表現できているわけではない)。
いずれ漫画や小説の編集者を目指すかもしれないし、このままプロデューサーとして世界に羽ばたける人材になることを目指すかもしれない。
だからこそ、自分の将来について考えるとき、肩書きに縛られていてはいけないと思っている。
俺の本心は「物語を作りたい、世に発信したい、観た人/社会にポジティブな影響を与えたい」というところにある。
その意思はおそらく、小学生の頃から変わっていない。
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