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12/3放送「夜な夜なラブ子さん」について

昨日仕事から帰宅してTV点けたら「夜な夜なラブ子さん」が放送されていた。
社会人野球チームの男性たちを女性たちが争う簡易版バチェラーのような企画が少し興味深かったので、今回は取り上げてみる。

この社会人野球チームは過去に何人もプロを輩出しているそうで、ドラフト指名を目指して加入した20代前半の選手たちが野球漬けの日々を送っている。
そんな生活では彼女を作る時間などまともに無いそうで、番組と球団が組んでこの企画が生まれたらしい。

今回参戦した男性陣は4人。エースでチームのNo.1イケメンAさん。ピッチャーで肌のよく焼けたBさん。元捕手で24歳にしてGM補佐を務めているというCさん。球団職員で結婚意欲の強いDさん。

彼ら目当てに参加した女性陣は8人ほどいたが、ここでは最終的に彼らが告白した3人を取り上げる。
20歳・女優志望で一見控えめな性格に見えるが男性一人一人としっかり話す時間を作りに動いていたxさん。
18歳(唯一10代での参加!)・モデルで若干ギャルっぽいyさん。
24歳・金融関係勤務で大阪弁がキャラ立ちしていたzさん。

最初に男性陣がストラックアウトで意中の相手との2ショットトークを狙うゲームが行われる。
ルールは、まず女性陣にそれぞれ番号が振られ、男性陣は先に申告した番号のマスを抜くと、その相手と2ショットトークできるというもの。
面白いのは、このゲームの結果が最終的な4人の告白結果を暗示してしまうことだ。
つまりゲームに唯一成功したCさんと、違うマスを抜いて「失敗」したもののマスを抜くこと自体には成功したBさんは告白にも成功する。
一方、1枚もマスを抜けなかったAさんとDさんは告白にも失敗することになる。

次は立食パーティーという形でフリートークタイムが設けられるが、ここでは女性陣の火花が散る展開となる。
この段階で興味深かったのは、全体的に男性陣の意中の人はトーク内容によって第一印象から揺らぐ傾向があったが、女性陣の意中の人は揺らがなかったことだ。

Aさんの第一印象(で気になった人)は上記3人とは異なるグラビアアイドルの女性だった。彼女とのトークではボディータッチがあったり、深いVネックの服の隙間から谷間が見えたりと、Aさんがドキッとする展開はあった。
ところが次ステージのラストデート(1人しか誘えない)でAさんが誘ったのはxさんだった。
xさんとは好きなバンドがお互い同じという点でトークが盛り上がる。
そしてその話が転じて「夢を追う人って魅力的だよね」という点で意気投合する展開になる。
あえて雑な言い方をすれば、Aさんは外面的な魅力が目立ったグラビアアイドルより内面的な魅力が目立った女優の卵を選んだということになる。

Bさんは第一印象時点では参加した半分以上の女性たちから好意を寄せられるモテモテぶりで、彼が第一印象で選んだのは上記3人とは異なる公務員の女性だった。
しかしストラックアウトで「失敗」したことで、フリートークの序盤に彼女に詫びるシーンはあったものの、それ以降2人のツーショットは放送されなかった。
彼に集まってきた女性たちの中でも取分け積極的だったzさんと、同じく金融関係勤務だがzさんよりは小柄な別の女性との間で悩み、ラストデートではzさんを指名した。

Cさんはとても一途で、最初から最後までyさん一筋だった。見事ストラックアウトにも成功したことで、この2人は他のカップルよりも関係値でリードする展開になる。
xさんが2ショット中にCさんと話に来たことで、yさんが拗ねて場を離れる展開こそあったが、逆にyさんはCさんへの自分の気持ちが確かなものだと自覚することになる。
勿論ラストデートでCさんが指名したのもyさんだった。

Dさんは男性4人中唯一、どの女性からも「第一印象で気になった」認定をされなかった。
しかしパートナー願望が1番強いのも彼で、第一印象から気になっていたxさんに終始積極的にアピールする。
ラストデートでxさんはAさんとDさんの2人からアプローチされ、Aさん→Dさんの順にデートを共にすることになる。

そしてラストデートの内容がこれまた四者四様だった。
デートプランは男性側が考えるのだが、Aさんは特別に用意されたキッチンカーでオムライスを作りケチャップで「すき♡」と書いたり、xさんの目の前でラブソングを歌ったりと超ストレートだった。
ネタにしては悪いが、こういう彼の言動はチームのエース(ピッチャー)としてキャラ立ちしていた。

Bさんは貸切球場でzさんとキャッチボールしたり自分のチームのユニフォームをプレゼントするという内容だった。
これにはスタジオで見ていた女性タレントたちがかなり好印象だったようで、みなハイテンションでモニターを見つめていた。
Bさんは他の男性陣と比べても恋愛経験が豊富なのかな?と感じさせる、成熟したデートプランだった。

Cさんは行きつけのステーキハウスにyさんを連れて行く。これもまたネタにしては悪いが元捕手でガタイの良い彼の印象とマッチしていて、かなりキャラ立ちしていた。
yさんが小柄なので、2人がカウンターでハンバーグステーキを待つ姿がかなりアンバランスなのだが、この凸凹さもまたカップルとして魅力的な雰囲気を醸していた。

Dさんは自分の家に招待(!)して一緒に茨城の名産・栗を使ったモンブランを作った。
下準備に2時間かかったという手の込み様で、やはり気合の入り方が他の男性陣と一段ギアが違う模様。
ストレートに好意を寄せられてデレデレしているxさんをAさんの目の前で奪って自分のデートに連行しないといけないというタフな展開だったが、彼は全く弱気な表情を見せなかった。
個人的には1番好感を持った男である。彼と友達になりたい。付き合うことはできないけど。

そして最終的に各々が告白した相手は上記の通りだが、「交際しよう」となったのはBさん&zさんペアだけだった。
Cさん&yさんについてはyさんが少し控えめで、まずは連絡先の交換からということになった。
問題はxさんに告白したAさんとDさんだが、まずDさんは「まだ結婚願望がない」という理由であえなくフラれることとなる。
しかし彼は凹んだ表情を見せたりはしない。
どこまでメンタルの強い男なんだ、彼は。
もっとも、立食パーティー中は「安心感があって話しやすい」とxさんを迷わすシーンもあり、ナイスファイトだったと思う。
Aさんについてはxさんは「2週間考え抜いた」と前置きしたものの、「付き合うイメージがどうしても湧かなかった」としてフってしまう。

以上で企画は終了したのだが、何故わざわざnoteに書こうと思ったかというと、一番の理由はラストデートで力の入ったプランを考えた男性ほど儚い結果に終わったという皮肉な結果が印象に残ったからだ。
Bさんの球場貸切というのも手は込んでいるが、そもそもこれは番組と球団のコラボ企画であり、プレゼントのユニフォームにしてもさほど実現のハードルは高くないだろう。
球団サイドとしては番組出演することで知名度アップしたい目論見が当然あるはずだし、Bさんじゃなくて球団側がこのデートプランを考案したのでは?と思った視聴者もゼロでは無いはずだ(あくまでBさんは純粋な表情でデートを楽しんでいたし、そこに邪な感情は抱かなかったが)。
球場と言ってもプロ野球のホームグラウンドと異なりフェンス下に広告があるわけではないから、写り方としては「よくある地方球場」だった。
ましてホームベース近くの芝生にチームロゴがプリントされているようなことも当然無い。
ともあれ個人の力で地方球場を貸し切るのは金銭的に困難だろうから(番組内で明らかにされていたが、このチームの選手たちは月給15万円らしい)、球団が撮影用に抑えたのは間違い無いだろう。Bさんが球団に頼み込んだという可能性も無くはないが......。

恋愛は追わないのも追いすぎるのもいけないというが、まさに塩梅が大事なことを証明していた企画だった。
複数人の女性たちから好意を寄せられた男性ほど第一印象(で気になった人)が揺らぎやすく、逆に選択肢が無いDさんは一途というより「1人に絞って賭ける」という感じだった。
企画のシステム上、後半は意中の女性を絞らないといけないから、序盤迷っていた男性たちは尻上がりに積極的になっていった。
逆に女性たちはライバルたちと男性の気持ちを奪い合わないといけない前半こそ積極的だったが、自分1人に好意を寄せる男性が確定した後半は、一転して慎重な姿勢を見せた。
Bさんの告白をOKしたzさんさえも「遠距離だしまだBさんのことをよく知らないし、不安は多い」と前置きしていた。

「恋愛の秘訣は、相手の欲望に火を付けることだ」

俺の好きな名作映画、エリック・ロメールの『海辺のポーリーヌ』にこんな台詞が登場する。
所詮恋愛は理屈より感情の揺れ動きに左右されるものだ。
ヘテロセクシャルの場合、男性は自分が好きになれる相手に幻を見たがり、女性は自分を好きになってくれる相手に安心感を求めるのではないだろうか。
無論LGBTQも決して無視しちゃいけないし、あくまで個人的な印象に過ぎないけれど。

なんにせよ、一見よくある合コンものでも、中には面白い番組もあるものだなと思った。

※PRではありません。念のため。

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