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空手道場での体験

 医学部に向けての浪人時代に、近所の空手道場に通いました。

 沖縄の古い唐手(からて)には、大きく分けて首里手、那覇手、泊手の3種類があったとのことです。私が通った空手道場は泊手の流れでしたが、最初の頃の練習は那覇手系の剛柔流の練習法でした。ただ、剛柔流の基本型の三戦の立ち方は、一般的に普及している宮城長順系の立ち方ではなく、東恩納系統の立ち方でした。

 その道場に通い始めた最初の頃、先生に言われたのが、あまりにも痩せすぎているので、もっと筋肉をつけるトレーニングをしなさいということでした。
 そこから、私の筋肉トレーニングが始まりました。
 通信販売で、ブルーワーカーという器具を購入して、毎日トレーニングしました。朝はジョギングをして、昼は拳立て伏せもし、サーキットトレーニングもしてみました。
 半年もすると体に筋肉がついてきて、空手道場の先生から、よし!と言われました。
 ある日、予備校の友人と会った時、カバンを肩に担いだ私の腕を見て、びっくりして、「おまえ、何をやっているんだ!そんな太い腕になって」と言いました。

 体に筋肉はつきましたが、もともと運動神経が鈍い私は、筋肉はついても、運動神経は鈍いままで、筋肉をつけてもスポーツの不器用さはあまり変わりませんでした。

 空手道場では数年かけて準初段(一応黒帯)までになりましたが、自分の強さに自信はないままで、心の弱さも変わりませんでした。
 また、道場での空手の練習は悪くはなく、練習の後の充実感もありましたが、そもそも運動嫌いの私は、次第に道場に通うのが辛くなりました。

 これは、その後様々な武道のサークルに通っても同じで、私のような運動嫌いの人間には、そもそも集団練習や先生からの指導では、過度に緊張して苦しくなることが分かりました。

 浪人時代は6年間で終わり、医学部に入学できました。6年間の浪人時代のことは、誰かの役に立つかもしれないので次回のブログで改めて書くことにします。

 医学に入学して1年目の教養課程までは、何とか道場に通っていましたが、2年生になり、専門科目が入って来ると忙しくなり、そのことを言い訳に、空手道場に通わなくなりました。

 空手道場やその他の武道サークルに通った体験から分かったことは、
1.運動嫌いな人には、集団練習や指導者からの注意は、緊張してしまい苦しくなるということ。
2.運動神経の鈍い人は、筋肉をつけるトレーニングをしても、運動神経が良くなることは難しいということ。

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