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握手してください②

明日!?

先生に挨拶をしまくって、
先生を見かけたらわざと近くを通り、
先生が「無駄に元気がいい1年女子」として私を認識してきたころ
(卒業したあと先生にそう認識していたと教えてもらった)

先生の誕生日を聞こうと決める。

私「先生こんにちは!」
先「今日も元気やな~」
私「先生って誕生日いつ?」

と、唐突!!!!!

一緒にいた友だちにめちゃくちゃ笑われた。
今でも当時の話になると「唐突すぎるいちざき」と笑われる。

あまりに唐突すぎた結果、

先「え、明日」

私の勢いにのまれた先生が言った。

私「明日!?」
先「おう、明日、25」

唐突に尋ねてみた先生の誕生日はまさかの翌日で
誕生日プレゼントを渡そうとしていた私は慌てる。

待てよ…25歳、私16歳…9歳差…いけんこともない(なにが)!


サンキュー!

結果、何を渡したのか…そう、オロナミンC(笑)
我ながら、なんの可愛げもないプレゼント、いや、ただの差し入れか。

誕生日がまさか明日だなんて、困ります、
今日の今日で買いに行けないし、作れるわけでもないし、オロナミンC。

あ、それだけではない、先生との話の中で見えてきたコーヒー好き。
じゃあもう、コーヒーあげる、缶コーヒー(笑)

オロナミンCと缶コーヒーが5つ入った紙袋を持って登校、
放課後先生に渡す。

先「サンキュー!」

と受け取ってくれた。

こうして3年間、誕生日にはオロナミンCと缶コーヒーを
プレゼントしてきた。

迷惑にならないもの、嫌がられないもの、形として残らないもの。

私は、実らないと知っている。


1つ多かったね

女子も男子もわくわくどきどきのバレンタインデーがやってくる。

料理は下手、お菓子つくりも下手、さてどうする…
弟に相談して【トリュフ】を作ることに。
(後にパティシエとなる2つ下の弟)

クラスの男子、仲良しの先生たち、女友だちへ。
うまく丸まったトリュフを袋につめていく。

弟「これだけ多くない?」
私「わざと」
弟「ほお~」

先生の分だけ、1つ多め、なんなら大きめ(笑)

当日、女子たちがチョコをたくさん持ってきていて
どの教室もチョコの匂いがする気がした。

放課後、職員室に行き、先生たちに配る、そして

私「はい先生、バレンタイン」
先「えー俺のもあると~」
私「おいしいよ~(だってお菓子つくり得意な弟が手伝ったし)」

翌日、担任から廊下で呼び止められた、
と同時にたまたま先生が通りかかった。

担「いちざき~昨日のチョコうまかったぞ~ありがとな~」
私「いや~いやいやいや(だって弟が)」
担「ね、先生」
先「おお、うまかったですね、甘すぎず、苦すぎず」
私「よかったです~(弟の指示通り)」

担「そういえばさ、いちざき、先生のだけ1つ多かったね」
私「!?!?!?え?そうです~?」

やばいやばい、先生に気づかれなくていいようにしたつもりが
職員室で隣同士の担任が気づいていた。

担「俺3つ」
先「俺…4つ」
担「ほら」

赤面。

私「あ~あはは~次移動教室なんで!」

走って逃げた。

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