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握手してください③

そんなこともあったな

いやあ…思い出すと甘酸っぱい、もう10年以上前の話。
卒業した後も毎年、誕生日おめでとうLINEをしていたけど、
いつの間にかしなくなった。

先生は3人のお父さん、私は1人の母になった。


バレンタイン先生だけ1つ多かったね事件(←)から2年経ち卒業間近。
やはり先生は先生、何も変わらない。

ただ1つ、もしかしたらうまくいくのかも?と思った話。


だってお前さ

昔から自分のことを【うち】と呼んでいた私。
父から「みっともない」と言われ【私】に矯正しようとしたが
どうもしっくりこない、【うち】そんなにおしとやかじゃないし。

と考えて【下の名前】で自分を呼ぶようになった。

(ここでは【ちい】にしておく)
(いちの逆ってだけだよ)

先「ちい~」
私「は~い」

先生がわたしだけ下の名前で呼ぶようになっていた。

いやあ、期待しない?するでしょ、普通に。
他の生徒のことは名字で呼ぶ。

そのことに先に気づいたのは友達だった。
あの、唐突すぎた私を笑った友達。

友「ねえ、先生ってさ、ちいのことだけ下の名前で呼ぶよね」
私「ん?そうなん?んなわけ」
友「ほんとほんと、今度ちゃんと聞いときな」
私「ん~」

ここでさっきの話に戻る。

友「(小声)ほらやっぱり、ちいって呼ぶやん」
先「これ教室に持って行って~」
私「ちいが?」
先「そう、ちいが」

ほお…確かに先生は私のことを下の名前で呼ぶ。
まじか、これはまじか、脈あんのか?(いやない)

これも卒業してから何故私のことだけ下の名前で呼んでいたのか分かる。

先「だってお前さ、自分のことちいって呼びよったやん」
私「ああ、そうですね~」
先「他は自分のこと私って呼びよったけん、自然と名字で呼ぶわけ」
私「ほう」
先「でもちいは、ちいって呼ぶやろ?」
私「うん」
先「やけん【ちい】が頭の中に残ってちいって呼ぶようになった」

なるほど、
父の【うち】は止めろ教育がこんなところで役に立つとは。

クラスでひっそり話題になった。
先生は、いちざきのことだけ下の名前で呼んでいる。

私はもちろん浮かれる。

私だけ下の名前、なんか特別感あるじゃん?なんて。

さて、どうする。
卒業が近い。

卒業したら、何も接点がなくなる。

でも分かっていた、実らない。

そりゃそうだ。

だって「先生」と「生徒」

そうだったとしても、卒業後お付き合いをして、結婚した話を知っていた。

「嫁さん、生徒だったよ」という先生もいた。
「卒業したら先生と生徒ではなくなるからね」と。

でも分かっていた、きっと、実らない。

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