ジョセフ・ギース、フランシス・ギース『中世ヨーロッパの都市の生活』

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賑わうシャンパーニュの大市
今も変わらぬ主婦の生活
1250年、トロワを描く

中世、城壁が築かれ、都市があちこちで誕生した。
異民族の侵寇や農業・商業の発達はそれに拍車をかけた。1250年、シャンパーニュ伯領の中心都市、トロワ。そこに住む人々はどのような生活を送っていたのか。主婦や子供たちの1日、結婚や葬儀、教会や学校の役割、医療や市(いち)の様子などを豊富なエピソードを盛り込み描く。活気に満ち繁栄した中世都市の実像が生き生きと蘇る。

『中世ヨーロッパの城の生活』が面白かったので、同じ著者による続編的な『都市の生活』も読んでみました。

城の生活が、城という閉鎖的な生活空間の中でのアレコレを詳説したのに続いて、今作では都市のというある程度空間的な拡がりの中でのアレコレを語る。

作家夫婦ということでその語り口は非常に読みやすく、中世都市の猥雑さや市民のたくましい生活ぶりが魅力的に語られる。

いろんな職業の人がいて、学校があって、裁判沙汰が起こり、市もたって、疫病が流行り、芸術家も活動する。

そんな中世都市の日常。とにかく雑学的に面白い。だけれど単なる知識の羅列にはならずに、膨らみのある記述になっているので、退屈することなくあっという間に読み終えてしまう。

この作家夫婦の中世ヨーロッパシリーズはまだ何冊かあるので、読み進めてみたい。

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