ワークライフライフバランス

前回のnoteはたくさんの方に読んでいただき、ありがとうございました。

わたしが結婚することについて会社のお世話になっている先輩方にご報告をしたときに部署で2番目に偉い方からいただいた言葉がどこか心に残り、そして同居生活を始めた今、とても腑に落ちている。

「結婚をすると意外に物事・仕事の見方とかが大きく変わることがあります。(よくワークライフバランスと言われますが、ワーク・ライフ(家族)・ライフ(個人)のバランスがとても難しくなるなあと思います。」

それを受け取った当時のわたしは実家暮らしで、実際にワークライフバランスへの不安は感じていたが、「はて、ライフにも2種類あるのか」という少し不思議な感覚を持つ程度だった。

そしてちょうど2週間ほど前に同居を開始し、お互いほぼリモートワークの中でふとマネージャーからのその言葉を思い出した。


バランスの変化

これまでの平日のわたしは『ワーク>>>>>>ライフ(個人)』であり、仕事が終わらなければ夜ごはんは後回しにし、寝る前ぎりぎりまで仕事をすることもあった。COVID19流行以降は自宅にいる時間がほとんどで、友人との外食機会も少ないしプライベートの時間は休日に取れれば十分だった。

そして今。別に家事を強要されてもいないし、むしろ頑張りすぎではないかと言ってもらっているものの、主婦家庭に育ったからか家のことがきちんとされている状態が当たり前という意識がベースにあるがために、ふたりの生活をきちんとしたいなという気持ちが無意識に強くなった。

結果的に最近の平日のわたしは『ワーク、片隅にライフ(家族)>>ライフ(個人)、片隅にライフ(家族)とワーク』になってきている。


仕事に追われない生活へ

仕事柄、プロジェクトとプロジェクトの間は一時的にかなり暇になる。それ以外の場合も開発・テストフェーズで自身が主導でない時期は仕事にゆとりが出る。偶然なのか何なのか同居が始まってから、実家にいたときほど仕事が忙しくなくなった。18時過ぎ、遅くとも19時くらいに仕事は終わっているし、その後に仕事をすることもなくなった。おかげで常識の範囲内の時間にふたりで夜ごはんを食べる、という自分の理想の生活を手に入れられた。

純粋に、仕事にゆとりがあるっていいな、自由な時間がたくさんある!と思ったし、逆にこれまで何であんなに仕事ばかりしていたんだ?とも思った。親たちに先にごはんを食べていてもらったり、わたしに合わせて遅くにしてもらったりしていたことを考えると、悪いことをしてしまったと少し後悔した。(基本的にわたしがごはんを食べるときは孤食にならないようにしてくれる家庭で育った)

仕事ばかりで家のことが手に付かなくて自己嫌悪に陥るケースを懸念していたため、これほどハッピーな展開はないな!というのが最初の感想だった。


仕事のゆとりと将来への不安

そんな理想と思える生活を続けている一方で、意識的に隅っこに追いやっていた不安がわたしの中で主張をしはじめた。

仕事にゆとりがあるのは、自分が生活を優先し始めたことで仕事を拾いにいかなくなったからではないだろうか。やるべき・やっていた仕事の優先度を知らぬ間に落としているのではないだろうか。そもそも仕事中に家のことを考えるのは仕事の効率が落ちているということではないだろうか。

そう仮定するとビジネスマンとしての自分の価値が落ちている気がして、そして周りからも評価されなくなるのでは、必要とされなくなるのでは、という不安の沼へとズブズブと沈んでしまった。わたしの会社は結果ありきの実力主義で、評価されなければ年次が上がっても昇格も昇給もないし簡単に人を切ることもできる。一般的にビジネス市場で不遇っぽいアラサー女性であることも相まって、この不安は底無しに深かった。


こころに必要なものを変えること

実際のところ、現時点で「全然仕事していないな」と思われてはいないと信じている。確かに終業時間は早まったけれど普通に仕事はしている。やるべきことはそれなりの理由がない限り期限前日までには終わらせる自分ルールは健在だし、前より取捨選択はするものの、人の仕事を取らないとできることも増えないので先輩の肩をちょんちょんつついてタスクをもらったりもしている(リモートなのでチャットで)。

多分わたしは仕事を詰め込んでビジー状態を作ることで心の調和を保っていたのかもしれない。忙しくすることで自我を保ち、求められていると感じて承認欲求を満たす。文字にすると歪んでいるけれど、学生時代から忙しくすることが趣味みたいなタイプだったから、アイデンティティになっていた可能性もある。

そんな少しモヤっとした気持ちを抱えていたところ、友人というより議論仲間?のようなたかおさんのツイートがタイムラインに流れてきた。

正直、ウッと思った。自分ってどうなんだっけ。詰め込んだタスクを効率よく捌くことで喜びを感じていたけれど、それって本当に効率がよかったのだろうかと振り返るきっかけになった。

たかおさんも改善しようということをこのツイートの後に書いているが、難しそうとも呟いていた。このスタイルからの変更は恐らく結構難しいのだ。わたしの場合、意図せず先に生活が変わってしまって不安に陥ったわけだが、意識して変えるとそれはそれで不安に陥ることも目に見えている。そういう星に生まれてしまった的な表現が正しいのかもしれない。

今の生活になって、ごはんを人と食べること、夕食後にテレビを見ながら笑うこと、お酒を飲んでわいわいすること、そういう幸せはやっぱり幸せだと身に染みて感じたのは事実だ。自分を満たす物事を少しだけ変化させるタイミングとして、自分の存在意義をどこに置くのか、相当苦戦しそうだけれど徐々に変化させていきたいと思った。


ちなみにこれら全般の不安の原因は『ワーク、片隅にライフ(家族)>>ライフ(個人)、片隅にライフ(家族)とワーク』とずっと片隅に何かがいる状態を続けていることなのも実は分かっている。作業を詰め込むのは得意だが、思考を詰め込むのはめちゃくちゃ苦手なのを忘れていた。今夜はアイスを食べようと思う。


あいかりん

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