<ブラジル>本の執筆:あゆちゃん
今回の海外で働く人シリーズに参加してくれるのは、私のこれまた高校の同級生、あゆちゃんです。実は私達、高校卒業してからずっと会っておらず、今回YouTubeで対談をするにあたって話したのが20ン年ぶりでした。もちろんお互いに、いつなぜどうやって海外に行ったかというのも知らず。と言う訳で、彼女のまたユニークな経緯をお届けします。
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1. 現在の職業
現在に限定すると、日本語教師、翻訳、そして本づくり(執筆と出版企画)をひっそりと行っています。こうして並べてみると今は言語関係のみですが、数年前まではいつも複数の分野で活動しており、メイン活動も時期によりけりでした。
2.海外に興味を持ち始めた時期
海外に気持ちが向く前段階として「身近な異文化」に興味をもったのは三、四歳の時です。保育園、幼稚園、各家庭、場面、男女、年齢差のある人間関係などで、話し方や雰囲気に違いがあること、自分が相手の要素を取り入れることで相手の反応が違うこと、それが自己防衛につながること等に気づいたのが、その後の「遠くのエキゾチックな異文化」への興味のきっかけになったと思います。
3. 実際に海外に出ようと思ったきっかけ
中学の時、学校に海外留学や海外ボランティアの経験を持つ先生が複数在籍していらして、そのお話のリアルさが刺激や希望となったと思います。私としては、海外に興味があってというよりは、幼少期からの不満や悩みの解決策として採用した「逃げ」の発想だったのですが、ともかく、具体案を探るきっかけをいただいたわけです。また、歴史の授業で、近代の国家間計画移住政策を利用して多くの普通の日本人が海外に渡ったと知った事も、具体的なイメージ作りに役立ちました。
4. 何故この国なのか
海外で暮らしたいと思った初めからブラジルを目指したわけではありませんが(インドからの軌道変更です)、渡伯の機会を得てから二十年もここにいるのは、ブラジルが「実質的に機能している共和国で、住み良いから」です。ブラジル連邦共和国には、国としての底力と寛大なシステムがあり、これが私に安心と希望をくれるのです。安心と希望って社会参加意欲の基礎なんだなあと、こちらで実感しました。
5. 海外に最初に出てみての印象(想像と違ったところ)
意外だったのは、ブラジル人はたいしてコーヒーを飲まない、喫煙者がとても少ない、ここは個人主義社会ではないといったことです。聞いて想像していたレベルを超えていて驚いたのは、公用語を習得せず不自由なく暮らしている人の多さ(現地人、移住者)、コミュニケーション技術の高さ、日常会話に政治と宗教の話題が多いことなどです。
6.海外に出てみて良かった事
心も体も生き延びられたということです。多角的、多重的に物事を見るようになったことで、自分自身や出身国の魅力に気づくと、自信、余裕、感謝などを感じるようになり、健康状態も良くなりました。そうすると、あとは良い方に歯車が回り始めたんでしょうか、自分にも他人にも未来にも寛大になって、希望をもって日々を送れるようになりました。
7.海外に出てみて苦労したこと
たいていの場合、「約束」はいわゆる約束という意味ではないので、相手への信頼を保ったまま言葉だけ話半分に聞いておく、相手が約束を守ってくれなくても気にしないようにする、という自分の感情のコントロールが、長年難しかったです。
8.今後海外に出てみようと思う人へのアドバイス
卒業証書(和文・英文)、資格・技能証明書、身分証、出生証明書などは、オリジナル(現物)を全部持って行きましょう。滞在や帰国の予定が変更になった時、救いの神はその紙かもしれません。
「誰のおかげで(どこから出たお金で)」「何を目的に(何の役割を負って)」今ここにいるのかと考える癖をつけておくと、後悔も批判も最低限に抑えられ、真に充実した海外生活をおくれると思います。
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彼女のライブ配信も異文化チャンネルのマガジンに載ってますので、そちらも是非ご覧ください。彼女のとってもユニークな愛らしい人柄が見れます。また、行く前に知っておけばよかった事や、海外に安く行ける方法、などの情報も話してくれています。そんな あゆちゃんのライブ配信はコチラ。
以下はあゆちゃんがライブで話せなかった追加情報です。
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「なぜブラジルに来てみたのか」
海外に出る資金がない中で、外務省JICA国際協力事業団の日系社会青年ボランティア(前身は「開発移住青年」)という至れり尽くせりのプログラムを知りました。中南米諸国で評価が高い日系社会にはそれ以前から興味をもっていたので、貢献したい、日本での認知度を高めたいなどの思いがあり、参加しました。他国でなくブラジルを希望したのは、巨大な国なので何についても選択肢が多く、やり直しもききそうだと思ったからです。
「なぜブラジルに定住したのか」
政治・経済・軍事の面で自立していて、天然資源が豊富で、自然災害は少なく、戦禍とは遠く、科学技術が発達している、年齢別人口バランスが良いなど、「国としての基礎体力がある」と思ったからです。また、言論・思想の自由がある、高度な医療と教育に国籍問わず誰でもアクセスできるなど「人権感覚に優れた法治国家であり共和国だから」です。総合的に見て、住みやすいと感じました。
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このような情報は逆に欧米に来た人たちからすると新鮮じゃないかと思います。そして、あゆちゃんが、やる気があればお金が無くても海外に行く方法がある、と言っていたJICAの情報がこちらです。
やる気があるならチャレンジ!
独立行政法人 JICA 国際協力機構の採用情報・人材募集・研修
そして、あゆちゃんが話していた日本人が1908頃からブラジルに移住し始めた歴史の話はこちらに詳しく載ってました。
また、観た方もいるかもしれませんが、ブラジルに移住した歴史を元にした2005年のテレビドラマがこちらです。私の叔母はこれを見ておしん位号泣したそうです。(おしんは世界で、特にタイなどでも人気だったみたいですね)是非見てみてください。
ハルとナツ 届かなかった手紙
それでは!
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