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小説を読む目、という話。

 この2年ほどで、それ以前よりも小説を読む量が増えた。
 小説の読書量が最も多かったのは学生の頃で、社会人になってからはほぼゼロになり、読むのは専門書や技術書ばかり。
 それがここ最近では、書店やAmazonで購入するのは小説が多くなった。

 時間に余裕ができた、というわけではない。
 むしろ時間は年々限定的になっている。
 それでも小説を読む量が増えたのは、小説を書くようになったからだ。

 ジャンルやストーリィ構成の研究をしたり、文体や文章表現を参考にしたり。
 自分が楽しむため、味わうためではない。
 なので、表現としては《読む》というよりも《調べる》のほうが合っているかもしれない。
 研究者が先行研究を調べたりサーベイを取ったりするのとニュアンスが似ている。
 小説に目を通しながら「おっ、これは面白いな」と感じる瞬間もあるが、それが目的ではなく、おまけみたいなものだったりする。

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