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「相手が”断れない”オファーをすればいいんです」野村元トップセールスマンが答える!vol.13

質問者

「ここぞ」という時に、どうしてもアポをとりたい顧客から、断られそうになった場合はどうすればいいですか?

元野村證券マン

ずばり、映画「ゴッドファーザー」で有名なセリフ"  I'll make him an offer he can't refuse.”  ということだと思います。

私はアポイントをとる時はいつも、「一発勝負」と思っていました。「断られそうな場合に、こう言う」や「断られた時に、こう言う」という発想は持っておらず、「ここぞというアポイントをお願いするときは、絶対に断らせない」と思ってやっていました。

何故なら顧客と言い合いをすることが営業マンの仕事ではないからです。顧客が「嫌」といっているのを、論理でねじ込めてアポをとったとしても、どちらにせよその後の商談はうまくいかないでしょう。であれば、そもそも「嫌」と思わせるどころか「是非アポをとってほしい」と顧客から思わせる方向にもっていくのが、営業マンの仕事だと思います。言い方を変えると、「アポを申請する前に、相手がアポを断る可能性を極力ゼロ」にしたうえで、アポを申請していました。

 ですので、月の予算が厳しい時や、同期と期末ランキング争いをしている時など「このタイミングで、この顧客とのアポイントを絶対入れなければならない」という時は、特に念入りに準備してから、アポイントをとるようにしていました。

理由は、顧客側の立場になってみるとよくわかりますが、「一度、アポイントの要請を断られてしまうと、再度アポイントの要請をするまでには、ある程度の期間を空けなければならない」からです。毎日、毎週のように「アポください」とやってしまうと、「こいつは今ノルマがきついから、私と会いたいんだな」と簡単に心を見透かされてしまいます。ですので、しつこいようですが、アポイントを要請するときは、「絶対に断られない(少なくとも、顧客にどうしても外せない用事がある以外のケースでは断られない)状況」を作り出し、アポイントを要請することを意識していました。

 具体的な事例をお話しいたします。入社三年目の4月、私は最大手顧客のK社と何かしらの取引をできないか、と考えていました。というのも、他に稼働できる顧客が全くおらず、4月の予算(300万円程度だったと思います)が全く埋まっていない状況だったのです。

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