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「キャバクラが絶滅しないように、対面営業も絶滅はしません」 野村元トップ営業マンが答える!vol.8


質問者

対面営業は絶滅するのでしょうか?現在のロボット資産運用や、ネット証券の利用者(主に若年層)が引退し、本格的に資産運用をする世代となった時に、果たして昔ながらの野村證券だったりその他大手の対面証券会社を利用すると思いますか?


野村マン

絶滅はしないが、限りなく絞られる。と思います。絞られると言うのは、営業マンの数が、ということです。私が在籍していた頃の野村證券のメインの顧客層は、60代・70代以上の資産家がほとんどでした。資産は数千万円から数億円といったところ。当時社内でもよく言われていたのが、「若い世代のお客様を取り入れていかなれけば、野村證券は近い将来倒産する」ということです。(野村は上層部も社員も、よく「うちはこのままいけば潰れる」とよくいいます。危機感があるというのは良いことだと個人的に思います)何故このような危機感が生まれるのか?と言うと、「野村の上顧客だった預かり資産5億円のお爺さんがお亡くなりになる。それを相続する息子が野村に来店し、全て資産を引き揚げてネット証券に移す」ということがよく発生していたからです。これはつまり、「相続」というイベントが発生する前に、きちんと息子世代と関係をつくっていなかったから起こる、いわば当然の成り行きですよね。

5年前の時点でも既に、「ロボット資産運用」なるものは存在していました。まあロボットといっても、別にその辺のインデックスファンドやファンドラップ等と何ら違いはないのだと思いますが。しかしやはり「人の手を借りず=営業マンの人件費を負担する必要がなく」資産運用ができるのはやはり印象が良い、ということで若い世代を中心に、対面証券はますます廃れていっているという状況のようです。

すこし背景の説明が長くなってしまいました。このような話をすると「それなら対面証券なんていう古臭い商売はもう絶滅して当然じゃないか?」という声が聞こえてきそうですけれど、そんな単純な話ではないのだと思います。

わかりやすく言うと、キャバクラみたいなものだと思っています。キャバクラって無くなりませんよね。ずーっと。多分、現代を生きる私たちが死んで次の世代が地球を闊歩するようになった後も、多分キャバクラは名を変えスタイルを変え、しかし本質はしっかり維持したまま生き残っている、と私は推察します。

キャバクラの本質とは何なのか?それは「人と人との繋がり・温かみにお金を払う」ということです。経験のある男性諸君ならおわかりかと思いますが、キャバクラほどアホなものってないですよね?その辺の女の子(可愛いか可愛くないかの確率は世間の人と同じ)と同じ席に座って、お酒を飲み、営業LINEを交換し、会計する。1、2時間で数万円は吹き飛びますよね。本当にすごい商売だと思います。でも何故男はそれでもキャバクラにいくのか?

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