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ノンフィクション小説の中で1番面白いと思った本(読書感想)

今年入ってからやっと1冊だけ本が読み終わりました。

「今年は本をたくさん読む年にするぞ!」と言っておきながら、1冊を読み終わるのに3週間もかかりました。2冊を併読しているのでそれくらいかかっても仕方ないとちょっと思っています。

読み終わったその本は、ノンフィクション小説の中で今まで以上に面白い内容でした。読んでいないページが少なるなると寂しくなって、少し時間をおいてしまうほどです。

なんだかんだ言いつつ、最後まで読み終えました。今日はその小説を詳しくお話します。


「最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常」

あらすじ
やはり彼らは、只者ではなかった。入試倍率は東大のなんと約3倍。しかし卒業後は行方不明者多発との噂も流れる東京藝術大学。楽器のせいで体が歪んで一人前という器楽科のある音楽学部、四十時間ぶっ続けで絵を描いて幸せという日本画科のある美術学部。各学部学科生たちへのインタビューから見えてくるのはカオスか、桃源郷か? 天才たちの日常に迫る、前人未到、抱腹絶倒の藝大探訪記。

この本を読むと、まさに「秘境」「カオス」という言葉に相応しいノンフィクション小説です。東京藝大という異世界を知った気分になれます。

東京藝術大学は美大生と音大生が学びに通う大学です。なので、読んだ印象として東京藝大の校舎内に入ると、学生たちが制作した色とりどりの作品があり、練習でさまざまな楽器が鳴り響いている雰囲気が染みつきました。もちろん、二宮敦人さんがインタビューした学生たちは個性・思考が変わった人ばかりです。

学科やインタビューをした学生の個性がとても強くさまざまな印象が残っています。どこのページを読んでも面白いお話ばかりです。なので、文章にしてまとめきれないですね……。今回は私が印象に残った部分を3つ紹介します。


自分自身の型を取るためにとった行動とは!?

二宮敦人さんの奥さんは、小説では彫刻科の藝大生なんです。彫刻科の課題で奥さんは自分の等身大全身像を作ると決め、手を抜いて自分の型を何とかして取りたいと考えました。思いついたのは下着姿になり、体に書道用の半紙を貼り付けてギプスのように糊で固めるという方法でした。

夜中に書斎で奥さんが顔面に半紙を貼り付け、糊をドライヤーで乾かしている姿を二宮さんが目撃したシーンは、本のほぼ最初に描かれていたのでびっくりしました。想像すると異様な光景です。

ここから東京藝大の入り口に入ってしまったのだなと思いました。


口笛をクラシック音楽に取り入れたい

口笛はウォーブリング、リッピングなど様々な奏法があって奥が深く、発展途上のような世界です。ある口笛世界チャンピオンの藝大生は、「口笛界の先導者のように扱われ、どんどん新しい目標をつくっていかなきゃいけない」という話がありました。その藝大生の新しい目標の1つは「クラシック音楽に口笛を取り入れること」です。

「クラシック音楽に口笛を取り入れること」となんて、思いつくだろうか。なかなか思いつけないことだと思います。

口笛といえば、学校の先生から「夜に口笛を吹くと蛇が出る」と、よくある日本の風習を言っていたことを思い出します。私にとって口笛は良くないと教えられていたことが多かったので、「近所迷惑で良くないこと」と思っていました。なので、口笛を音楽として楽しむなんで全く思いつかないし、むしろ面白そう!と思いました。

いつか口笛をクラシック音楽に取り入れられたら、クラシックのコンサート行ってみたいです。


藝祭のミスコンはチーム戦

ミス藝大はモデル、美術担当者、音楽担当者と3人でチーム組み、美を追求した作品を作り上げる仕組みで行っていることを知りました。

自分の知っているミスコンといえば、個人戦で学内で1番美人な女性を決めるというイメージが強いです。チーム戦であればモデルのみの美しさではなく、作品や音楽も評価に入れて決めるので「よくやりそうなミスコンよりも平和そうだ」と思っていました。

しかし、争うチームの中には、登場してくるモデルは全身金箔だったり、モデルなしの代わりに呪いの藁人形を使った演出だったり。平和というよりはカオスも含まれたミスコンでした。

藝祭は、美大生による作品の展示や音大生が出場するコンサートなどを本格的に行っていることも描かれていました。藝祭のことを知ると「どんな作品を展示しているのかな?」「カオスなミスコンとサンバパーティ見てみたい」と気になってきます。今年行けたら藝祭に行ってみたいです。

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