日常 normally life
朝が来て1日が始まる。
新しい朝は必ずしも、新しい気分を連れてくる訳じゃない。
分かってる。
でも、自分の努力で、それを少しでも手繰り寄せられたら
そう思って日々を生きていく。
毎日何かを少しずつ作っていく。
薬の副作用で手が震えて絵が描けなくなった。
だけど、まだ、私は作れる。
まだ何も根幹の部分は奪われていない。
音楽があって
写真を撮って
言葉を紡いで
何かを作る。
何回も何回も
なんとか維持されている生活の中で
繰り返していく。
私に見えた景色
心の中と、体の外にある景色
それを誰かに伝えられる可能性を
私をのんびり探っていく。
体を動かして
汗が流れる。
もがいて苦しんで
なんとか楽になる方法を探ってる。
自分の体と心の事が
思うようにならない事に
慣れていく。
思い通りにならない人生を
想定内にしていく事が
自分の中に沈着していく。
眠れない夜が来る事を
恐れないで済むように
少しずつ心構えを作って
夜を怖がらずに受け入れて
恐れないでいられるように
一生懸命取り繕った。
眠れない夜も
起きられない朝も
怖くて怖くて堪らないから
必死に慣れる振りをして
勇気を出して1日を終えて
また1日を始め続けてる。
痛々しい強がりは
とうの昔に捨ててきた。
守れないプライドも
見栄も尊厳も
全部、捨ててきた。
何もかもを捨てて
私の手元から全て無くなって
ただ穏やかさを求める気持ちだけが
確かに心の中に残った。
私は誰も守れなかった。
私自身すら守れなかった。
私自身は医療に守られた。
だから、私だけが残った。
私自身と
私が守れなかった人達の痕跡だけが残った。
その中で壊れた精神を抱えて
ただ1人立ち尽くしてた。
ちょうど一年前の初夏。
目の前が真っ暗だったから
前に進む事が出来た。
もし前に何があるか知ってたら
歩けなかったと思う。
人が死んだ。
裏切り、なんか気にもしなかった。
命は簡単に消える。
くだらない理由で生まれて
愚かさの被害者として死んでいく。
やり直せる。
私は信じてる。
もうすぐ一年になる。
私が閉鎖病棟から出て
外の空気を吸ってから
一年経った。
真っ暗闇。
孤独。
苦しみの連続。
希望。
失敗。
色々なものは全て
安寧に向かって
進めている。
毎日毎日一歩一歩。
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