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もはや当たり前?中小企業が取り入れるべきABMとは?

中小企業が行うBtoBマーケティングでは、限られたリソースを有効活用することが重要となります。特にマーケティング担当・営業担当間でのミスマッチを防ぐために、近年注目されている考え方が「ABM」です。

見込み顧客を獲得しても成約に至らないなど、現在のマーケティングに課題を感じている方は、マーケティングにABMを取り入れてみましょう。

当記事ではABMの考え方・実践方法などを中心に解説し、MAを活用してABMを進める方法や成功事例も紹介します。

ABMとは

ABMとはアカウント・ベースド・マーケティングの略で、マーケティングの考え方の1つです。2013年頃から注目され始めたので、そこまで新しい考え方ではありません。しかし近年、注目され始めた理由に、SFAMAといったマーケティングツールの進歩・広告手法の変化が挙げられます。

ABMとは「自社にとって価値の高い顧客を選別し、顧客に合わせてアプローチする」という考え方です。

BtoBマーケティングを手がけるシンフォニーマーケティングの庭山氏はABMを「顧客・見込み客データを統合し、マーケティングと営業の連携によって、定義されたターゲットアカウントからの売上最大化を目指す戦略的マーケティングのこと」と表現しています。

もっと砕いて説明すると、ABMとは「数多くの見込み顧客の中から価値の高い顧客(成約率が高そう・LTVが高そう、など)を選別し、その顧客に営業・マーケティングのリソース(予算や人員)を割く」考え方です。

例えば、あなたが大企業向けの経理管理システムを販売しているとしましょう。
年商1000億円企業の経理部長と、年商10億企業の総務担当から引き合いがあった場合、どちらに力を注ぐべきでしょうか?
この場合では成約率が高く、LTVも大きそうな年商1000億円企業の経理部長への対応に注力すべきだ、ということです。

少し冷たく聞こえますが、リソースが限られた中小企業にとっては非常に大切な考え方です。

営業経験がある方なら「当たり前のことだ」と思うかもしれません。営業担当なら、顧客に優先順位を付け適切にアプローチすることは当然です。ABMは新しい考え方ではなく、昔から当たり前に営業担当が行っていたことをマーケティングに取り入れよう、という考え方です。

では「ABMがなぜ今、注目されているのか」「なぜ必要なのか」を見ていきましょう。

ABMが注目される理由

ABMがここ数年注目されているのは、SFAやMA・CRMといったマーケティングツールが浸透したことが大きな理由です。特にMAが登場したことで、マーケティングは大きく効率化されました。広告やオウンドメディアを通じてたくさんの見込み顧客を獲得し、メールマーケティングなどを通じて育成できるようになりました。

しかし、それと同時に課題になってきたのが「受け入れ率の低下」です。受け入れ率とは、マーケティングが生み出した見込み顧客を営業担当が引き継ぐ割合のことを指します。

これまで、マーケティングが何を以って「質の高い見込み顧客」としてきたかというと、主に「行動履歴」です。例えば「多くの資料をダウンロードしている」「Webセミナーを3回見てくれた」「メールの開封率が80%以上」など。

しかし、こうした行動履歴は営業担当にとって魅力的かと言われば、違うでしょう。

そのためマーケティングは「せっかく育成して質が高まった見込み顧客なのに、営業がしっかりフォローしてくれない」、一方の営業は「マーケティングから引き渡される見込み顧客は、成約しづらい」というミスマッチが起こってしまいます。

これが、MAによって顕著になったマーケティングと営業の課題です。
MAを導入して効果が出なかった経験がある方は、おそらく組織内のミスマッチを強く認識したのではないでしょうか。そして、この課題を解消するのがABMです

ABMの定義を「顧客・見込み客データを統合し、マーケティングと営業の連携によって、定義されたターゲットアカウントからの売上最大化を目指す戦略的マーケティングのこと」と紹介しました。
つまり営業・マーケティング双方が持つデータを統合し、連携して定義した指標に基づいて見込み顧客を選別する、ということです。

そのため、ABMは単体でうまくいくマーケティング戦略というより、MA活用を効果的に進めるための考え方と言えるかもしれません。

今、MAやSFAなどの機能がどんどん進化して、導入する企業が増えています。しかし、「データがたくさん取れる」「細かなシナリオに基づいたパーソナライズな施策ができる」といった機能面の特徴は、MAやSFAの目的ではありません。あくまでも、そうした機能を活用して顧客を獲得し、企業の業績を上げることが目的です。

(引用:LISKUL「マーケティングオートメーションの継続率は96.7%!ツールを導入した90%が満足しているという結果に-マーケティングオートメーションに関する調査」)

しかしLISKULのMAに関する調査では、マーケティングの効率化や可視化が多く選ばれています。それはMAが持つ機能的な側面であり、本来の目的ではありません。もちろんマーケティングだけでビジネスが完結するのであれば問題ありませんが、BtoBのように営業担当が間に入る場合「獲得したリードからの受注を最大化」が一番重要であるはずです。

★Grab記事本編では、ABMのメリットや実践方法について解説しています。ぜひ、参考にしてください!


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