人徳者になる難易度

しばらく父性愛についての記事が続いていますが、僕の中でポジティブな結論が出ずにだいぶ行き詰まりを感じています。
今回は少しテーマを変えてみようかなと思います。
こちらも最近感じている僕自身の悩みをもとにした記事になります。

最近、父性愛の記事の事も含めて悩みが多く精神的に非常に辛い状態です。
そういう時には必ずと言っていいほど僕の持病である潰瘍性大腸炎の悪化が起こります。
そして以前に投稿したこの記事でも書いた通り、弱って自分に余裕が無くなってくると人に対して優しさを持つ余裕がなくなり、器が小さくなる、相手に「こうして欲しい」「ああして欲しい」と求めがちになります。

こうして弱った時に毎回感じるのは、「ああ自分はなんて器が小さいんだ」という事です。
客観的に見てこれだけ辛い状況であればいつも通りでいられないのは仕方がないよねという気持ちもあるにはあります。
でも何処かで自分に対して未熟だなと感じてしまうのです。

「未熟である」とただ事実を素直に受け入れられれば1番良いのですが、それを受け入れるのはとても辛い事です。
そこで、自分の未熟さを埋める為に自分にしかないような価値を誇張したくなったり、もしくはそもそも未熟さを認めないで他人のせいにする等して未熟の上乗せを行いたくなる自分がいるのです。

そして今この記事を書きながら「ああ今回の記事はもしかしたら自分の未熟さを認めたくない自己防衛を原動力にした記事なのかもしれないな」とすら感じています。
しかし内容自体はなかなか面白いかなと思うので、ぜひ読んでいただけたらと思います。

本題に入ります。
世の中には人徳者と呼べるような徳の高い人がいます。
僕の周りにも何人か人徳者がいます。
彼らは人に優しく温かい人格の持ち主で何処かポジティブなオーラが漂っています。
一緒にいると何となく癒されるとか元気になるとかそんな人たちです。

しかし毎回彼らを見ていて思うのは、自分が彼らのような人徳者になるのは非常に難しいなという事です。
少なくとも僕が知る限りの人徳者は基本的に親から適切に愛されて育って満たされている人間だと感じています。
逆に言えば、その土台なしに人徳者になるのは非常に難しいのではないかという事です。

劣悪な家庭環境などが根っこにあって散々苦労した末に人徳者になる人というのは本当にごく一部の人間だけなんじゃないだろうかとそう思うのです。
そしてこれは個人的な僕の意見ですが、真の人徳者というのは劣悪な家庭環境を始め多くの人がしないような苦労をたくさんして壮絶な体験を得た末に人徳者になる人間の事ではないかとそう思うのです。

なぜそう思うのかというと、家庭環境が良く愛されて育ったタイプの人徳者には沢山壮絶な苦労をしてきた人の気持ちを身を持って理解する事が難しいからです。
(家庭環境が良く愛されて育った人たちは苦労をしていないという意味ではないですが)
そういう意味では壮絶な人生の人というのは経験値が豊富でその経験をどう活かしていくか次第では最上級の人徳者になれる可能性もあるように思います。

ただしその難易度は非常に高いです。
焦って結果を出そうとすれば、この記事にかいたような擬似人徳者的な状態になってしまうリスクもあります。
(擬似人徳者とは自分の無価値さを埋める為に人徳者を演じる人のことです)

愛されて育った人たちに比べるとこういう苦労をしてきた人たちというのは、精神が安定してドンと構えられる余裕を手に入れるまでには長い年月が必要になるでしょう。
その代わり、こういう人たちがこの強さを身につけた場合には誰よりも強い人になれるように感じています。
茨の道でありそしてこれに成功する人間はごく僅かでしょうが、自分と向き合い戦い続けた人間にはこれが成し遂げられるのではないかと期待しています。

実はこの記事を書いている途中に僕の恩師から貴重な言葉を頂き、この記事の内容に多少なりとも影響を与えています。
元々この記事というのは、もう少しネガティブな終わり方になる予定でした。
しかし今は恩師の言葉も踏まえて自分のモードが一段階変化したので、わりとポジティブに捉えています。

今一つ大きく変化したのは、そろそろ自分以外のものに原因を求めるという段階から卒業が必要なんじゃないかという事です。
確かに初めは自分以外のものに原因を求める事はいったんは非常に重要です。
そしてその原因を徹底的に分析する事にも意味はあるでしょう。
このような過程を経ずに「お前が悪いんだ!」とばかりに自分にキツイ言葉をいきなり投げかけて自責を増長させる事にはまるで意味がありません。

しかしここまで自分の悩みの原因や社会の問題を分析したのであれば、そろそろ自分自身に大きな変化が必要なタイミングなのかなと感じています。
自分を責めずに自分に原因を求めるというのは口で言うのは簡単ですが、実はかなり高度な領域なのです。

ましてや家庭環境に難があったり不利な条件が揃っていればいるほどその心待ちになる難易度は非常に高くなってくるでしょう。
次回はそのような心構えを手に入れるにはどうしたらいいか?について考察していきたいなと思います。


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