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話題の国際バカロレア(IB)って、何?

こんにちは!公立中高一貫対策のiBASEです。
今日のテーマは、国際バカロレア(通称 IB:International Baccalaureate)について。志望校選びをしている最中に、国際バカロレア(IB)という言葉に出会った方も多いのではないでしょうか。

以下の公立中高一貫校は、IB導入校または導入候補校となっています。

札幌開成中等教育学校(MYP,DP ※後述)

さいたま市立大宮国際中等教育学校(MYP)

大阪市立水都国際中学校・高校(DP)

【導入候補校】宮城県仙台二華中学校・高等学校

【導入候補校】広島県立広島叡智学園中学校・高等学校

IBについてカンタンに!

文部科学省のHPには、以下のように説明されています。

国際バカロレア(IB)は、世界の複雑さを理解し、対処できる生徒を育成し、未来へ責任ある行動をとるための態度とスキルを身に付けさせるとともに、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学へのルート確保を目的としています。現在、認定校に対する共通カリキュラムの作成、世界共通の国際バカロレア試験、国際バカロレア資格の授与等を実施しています。(文部科学省HPより)

海外の大学に進学させる意欲を持っているご家庭にとって、大学入学資格として利用できる「国際バカロレア資格:IB資格」の取得は、とても魅力的でしょう。試験をハイスコアで合格し、英語力を証明するTOEFLテストのスコアと共に提出すれば、難関大学への進学に非常に有利になるとされています。

またそれ以上に、「論理的思考力」や「コミュニケーション能力」、また幅広い教養や問いを深く探究し続ける力など、世界で活躍できる人材に必要な力を、中学・高校時代から磨いていくことが出来ます。そうした独自の先進的な教育プログラム自体も、進学する大きな魅力だと言えます。

IBの3つのプログラム

IBにはPYP、MYP、DPという三つのプログラムがあり、それぞれの段階の認定校が存在します。(例:MYPのみ認定している学校、MYPとDPを認定している学校、など)

①PYP(Primary Years Programme)
3〜12歳が対象。日本で言う小学校(初等教育段階)に該当します。精神と身体の両方を発達させることを重視しているプログラムです。

【参考】PYPについて

②MYP(Middle Years Programme)
11歳〜16歳が対象。日本で言う中学校(前期中等教育段階)に該当します。これまでの学習と社会とのつながりを学ばせるプログラムです。

【参考】MYPについて 

③DP(Diploma Programme)
16〜19歳が対象。日本で言う高等学校(後期中等教育段階)に該当します。所定のカリキュラムを2年間履修し最終試験を経て所定の成績を収めると、大学入学資格(国際バカロレア資格)が取得可能となります。「日本語DP」の対象科目を除き、英語、フランス語又はスペイン語で実施されます。

【参考】DPについて

公立中高一貫校においては、MYPまたはDPのいずれかまたは両方の導入となります。

カリキュラムの特徴

そんなIB認定校には、一体どのように特徴的なカリキュラムが実践されているのでしょうか? 今回はDPにおける「コアカリキュラム」をご紹介します。

①EE(Extended Essay:課題論文)
履修科目に関連した研究分野について個人研究に取り組みます。研究成果を4,000語(日本語の場合は8,000字)の論文にまとめるという活動が特徴的です。

②TOK(Theory of Knowledge: 知の理論)
「知識の本質」について考え、「知識に関する主張」を分析し、知識の構築に関する問いを探求する取り組みです。批判的思考を培い、生徒が自分なりのものの見方や、他人との違いを自覚できるよう促します。最低100時間の学習が必要とされています。

③CAS(Creativity/Action/Service:創造性・活動・奉仕)
「創造的思考」を伴う芸術などの活動や身体的活動、無報酬での自発的な交流活動といった体験的な学習です。

IB認定校に進学するメリット

①魅力的なカリキュラム
上記のように、通常の日本のカリキュラムとは異なるカリキュラムでの教育を受けることができます。

②海外への大学進学
DP認定校へ進学をすれば、国際的に通用する大学入学資格であるIB資格を取得することが可能です。(海外の大学ではIBカリキュラムの履修を推奨している場合もあり、海外の大学に入学したい希望がある場合には有利に働く可能性が高いと思われます。)

③日本の大学進学
日本における大学進学でも、IBを活用した入試が広がりつつあり、大学によってはIB資格やIBスコアのみで大学への進学を決めることができる場合があります。

IB認定校に進学するデメリット

日本における大学入試では、IBを活用した大学入学者の選抜はまだ限定されているため、IB資格のみで受けられる大学は限定されています。そのため、希望する大学によっては、IB資格とは別に試験を受ける必要がある場合があり、その点については十分に確認が必要です。

【参考】国際バカロレアを活用した大学入学者選抜例(令和元年12月時点)

志望校選びにどう活かす?

保護者としてIB認定校への進学を検討するか否かは、まずはIBのカリキュラム・教育内容そのものに魅力を感じていることが重要なのではないかと思います。各校がIBの方針に沿った独自の授業内容を構築しているので、まずは学校HPや説明会を利用して、ご家庭の教育方針とマッチしているかどうかを確かめてみてください。

今から海外での大学進学を視野に入れている場合には、DPはカリキュラム自体が英語やフランス語で行われることもあり、他の大学よりもより「国際的な」授業を受けられる可能性はあると思われます。

他方、国内の大学に進学することを考えている場合には、短期的に言えば、現時点では日本で「進学校」と言われるような学校に入る方が、大学入試の準備等はしやすいのかもしれません。(ただし、これからIB認定校や大学入試へのIB活用が増えることで、状況が変わることは考えられます。)

参考リンク

■IBの公式HP
IB全体に関する基本的な説明が確認できます。
https://www.ibo.org/about-the-ib/

■文部科学省IB教育推進コンソーシアム
文科省によるHP。日本における認定校の情報(令和2年6月30日時点)など、日本でIB認定校に進学したい場合の最新の情報が確認できます。
https://ibconsortium.mext.go.jp/

■Global Learning Centerによる記事
IBの概要や特徴が、分かりやすくまとめられています。https://www.benesse-glc.com/special/global/951


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