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【最新】過去問分析 | 2023年度 広島叡智学園 第2次選抜

こんにちは。公立中高一貫対策 iBASE(アイベース)です。

全寮制のため全国から受検が可能で、高い人気を誇る公立中高一貫校「広島叡智学園中学校」。2024年は、11月24日(日)に第1次選抜が実施され、12月25日(水)〜27日(金)に第2次選抜が行われます。

広島叡智学園の入試において特徴的なのは、2泊3日という形態でグループワーク、そして面接が実施される2次選抜。こちらの記事では、iBASE受講生からのヒヤリングをもとに、最新2023年度入試の2次選抜試験内容をレポートします。そして、傾向と対策についてお伝えしていきます。


出題されたグループワーク課題

1. 平和とは何かを考え、ロゴマークを創作する

平和とは何か?という問いに対し、グループの答えとして一つのロゴマークを創作する課題です。次のような流れで進行しました。

① 個人ワーク(10分間)
まずは個人で、「平和とは何か」「平和を実現するために大切なことは何か」、さらにそれらを踏まえたロゴマークのデザインを考える時間がとられました。

② グループワーク(35分間)
まずはじめの5分間で、グループの中で、それぞれが個人ワークで考えたことを共有します。

そのうえで、大きな画用紙に(1)グループで決定したロゴマーク、(2)「平和とは何か」、(3)「平和を実現するために大切なこと」の3点をまとめていきました。

③ 発表(16分間)
2グループがペアとなり、それぞれ2分間で制作内容を発表し合います。6分間が質疑応答の時間に充てられました。(各グループ計8分間)

2. 小学1年生と6年生が楽しめるレクリエーションの考案

自身の学校に入学してくる小学1年生と交流するためのレクリエーションを、用意された道具を使って考えるという課題です。

ルール

  • 空のティッシュ箱、ハンガー、新聞紙などの道具の中から、メインで使いたい道具をグループ内で1つに決める。

  • くじ引きでさらに2つの道具を決定する。

  • 30分以内に、【条件】に従ってレクリエーションを考える。

【条件】
(1)安全に行うことができること
(2)3つの道具は全て、必ず使用すること

グループで使用する道具を決定し、制作を行っている最中、「遊びの神様」が登場します。
計8グループそれぞれが最初に決定したメインの道具をシャッフルしてしまいます。

30分の制作時間が終了すると、ペアとなった2グループ間で互いにレクリエーションを体験し合います。
レクリエーションのルールや感想だけでなく、制作中に工夫した点などについても発表します。

3. その他のアクティビティ

以上2つのグループワークに加え、以下のようなアクティビティも実施したようです。

①紙ヘリコプター作り
グループで紙を使ってプロペラを作製し、階段の上から落としたときの滞空時間をより長くするにはどうすればよいかを考えます。
(制作時間は15分間、試行回数は2回)

②紙ひこうきとトレードオフ
グループで作製した紙ひこうきを的に向かって投げ、その得点を競います。ただし、的の中央に当たれば高得点であり、さらにより遠くから当てることで得点が3倍、5倍になります。
(試行回数は3回)

より近くから投げ、距離によるボーナスを捨てて正確に得点するのか。はたまた、遠くから投げることで命中の確率は下がるものの、一回の得点を最大化するのか。

アクティビティを通して「トレードオフ」について学び、グループでは何を優先して考えたのかについて発表します。

③英語×算数
1から50までの数字を英語で発音し、それらの数字と四則演算のみを使って最も大きな数字を作ってみるといった、英語と算数を組み合わせたアクティビティです。

いずれのワーク、アクティビティについても、数値的な成果や競争の結果は審査の対象とはならず、各グループに3人ほどの先生がつき、ワークの過程を観察していたようです。

課題の分析

ここまで、2次選抜中に出題されたグループワークとアクティビティについて紹介してきました。ここからは2つのグループワークを取り上げ、その出題意図や観察の対象について分析してみます!

1. 平和とは何かを考え、ロゴマークを創作する

大人でも個人によって解釈が異なるような「平和」という抽象的なテーマと、さらにロゴマークという非言語的なアウトプット。

もちろんこの課題には一つの正解はなく、最後にどのようなロゴマークを提示してもよいのです。ではこの課題において重要な観点は何でしょうか。

①グループの中でひとつの形を完成させる、合意形成のプロセス。
受検生ひとりひとりの経験によって、「平和」という言葉に対する印象は異なることでしょう。

世界的な平和をイメージする人もいれば、身近な友達・家族における平和なシーンをイメージする人もいます。グループ内でそれぞれが異なるものを連想する中で、意見が対立することも考えられます。

そのような壁にぶつかったとき、どのように合意点を決定するのか、というプロセスが、1つのポイントとなるでしょう。

②抽象的なテーマを、どのような根拠をもって具体化するか。
ぼんやりと頭の中にある「平和」という言葉のイメージと、受検生それぞれの経験を紐づけながらロゴマークを創作し、最後には相互発表という形でグループの考えを説明します。

なぜこのようなロゴマークにしたのか、どのように「平和」と関連づけたのかというグループの思考を、人に伝えることができるレベルまで具体化することが求められます。

テーマに対して、そのロゴマークを創作するに至った経緯・根拠は何なのか?という点も、この課題におけるポイントの1つと考えられます。

2. 小学1年生と6年生が楽しめるレクリエーションの考案

この課題のポイントとなるのは、想像力と対応力だと考えられます。それぞれについて、課題の特徴と交えて分析してみます。

①想像力
ただ生徒が楽しめるレクリエーション、ではなく「新たに入学してくる1年生と、自分たち6年生が楽しめる」レクリエーション、とテーマが設けられています。

これに対し、6年生である自分たちと1年生との間に、どのような身体的な違い、心境の違いがあるのか?想像力を働かせることが必要になります。

安全で、かつ皆が楽しむことができることを、3つの道具から連想するために、グループで試行錯誤していく過程が1つのポイントと言えるでしょう。

②対応力
この課題の大きな特徴は、「遊びの神様」の登場です。レクリエーションの軸として使用していた道具が、突然全く別のものと代わってしまいます。

限られた時間の中で答えを出さなければいけない、という焦りが心の中にあるときにこのような異常事態が発生すると、個人の精神状態にも影響します。そしてそれはまもなくグループ全体に伝播します。

精神的な揺らぎをいかに制御し、グループとしてどう乗り越えるか。その場面でのコミュニケーションも、大きなポイントと言えます。(※この点についてのさらに詳しい分析を、以下の記事にまとめました。ぜひ併せてお読みください!

対策についての考え方と方針

iBASEの2次選抜のグループワークに対する考え方と対策方針について、以下の記事でご紹介しています。この機会に、ぜひご一読ください!

今年度の2次選抜では、『振り返り作文』が無くなり、2泊3日のタイムスケジュールにも変化があるようです。

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講座の詳細やお申し込み方法は、以下の記事からご確認ください。


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