がんばり続けているなかで、ときには弱い自分も認め、 《弱さの共有》 をすると、一緒に乗り越えた共有体験をもつ 《未来への仲間》 をつくることになる (大変な状況のなかでの暮らしのヒント)
今日紹介するのは、《弱さの共有》と《未来への仲間》です。
普段とは違うこういう状況では、日々がんばっているにもかかわらず、なかなか大変さは減りません。
やらなければならないこと、気にかけなければならないことが、たくさんあり、その一つひとつを片付けていっても、またどんどん増えていきます。
昨日までうまくいっていたことが、突然うまくいかなくなったりもします。
突発的な問題が起き、それに対応しなければならなくなったりもします。
心身の疲れからミスや失敗をしてしまい、それがしばらく後を引くこともあります。
これだけがんばっていても、根本的なところが改善しない以上、苦しい状況は続いていきそうです。
それでも、なんとか、エネルギーをチャージしながら、がんばっていくしかなさそうです。
そうわかっていても、ときには弱音を吐きたくなることだってありますよね。
▼ ▼ ▼
そういうとき、ときには、家族や仲間に弱音を吐いてもいいのです。
いつでもどんなときでも強くある、という必要はありません。
強さも弱さも両方持っているのが、人間というものです。
弱い部分があるということは、とても人間的だということなのです。
だから、ときには、《弱さの共有》をしてみましょう。
家族や仲間に打ち明けてみるのです。
「今こういうことになっていて、つらい状況なんだ」
「ごめん、実はこういうことが起きていて、やるはずだったこれができなさそうなんだ」
誰だって、弱い自分を見せるのは嫌なものです。
だから、強くあろうとして、弱い自分に蓋をして、見て見ぬ振りをしてしまいます。
そういうことが、短時間ならばよいですが、長く続くとどこかで無理が来てしまいます。
弱い部分も含めて、それが自分であり人間的なのだと考えることができれば、《弱さの共有》は自然とできるようになるでしょう。
▼ ▼ ▼
そうやって打ち明けたとき、家族や仲間が、弱い部分やできないことに対して責めたり攻撃したりしてくることは、まずありません。
そうではなく、共感しながら、「大丈夫だよ」と声をかけ、寄り添ってくれるはずです。
あるいは、手伝ってくれたり、代わりにやってくれたりするかもしれません。
いつもさぼっていたり、何もしてこなかったというわけではないのですから。
このとき、打ち明けられた方は、それだけ信頼してもらえているということを感じ、頼られていることをうれしく、また誇りに思うかもしれません。
また、この事態を一歩引いて全体を見ると、チームの一体感が増している瞬間でもあります。
《弱さの共有》は、家族や仲間との絆を強くすることにつながるのです。
そして、このように、気持ちが通じ合いながら、困難を一緒に乗り越えていく。
そういう事態をともにした人と人は、その共有体験がかけがえのないものとなり、強い絆で結ばれた《未来への仲間》になるのです。
弱さは、弱いまま終わるのではなく、強さに変わって返ってきます。
だからこそ、自分の弱さを認め、《弱さの共有》をすることは、自分の生きる世界をつくっていくことにつながるのです。
---------------
《弱さの共有》は、「コラボレーション・パターン:創造的コラボレーションのパターン・ランゲージ」に収録されている、チームワークのなかでの大切なことのひとつです。
《未来への仲間》は、『対話のことば:オープンダイアローグに学ぶ問題解消のための対話の心得』に収録されているもので、対話を重ねることで、かけがえのない存在になっていく、というものです。
このような困難な状況においては、強くあろうと、力んでしまいがちです。
そのこと自体は、決してだめなことではありませんが、そうやって強く強くと思っていると、ひどく疲れてしまうことがあります。
弱さがあるのは、人間的であるということ。
そう思って、ときには、その弱さをもつ自分を認めることが、今こそ大切なのではないでしょうか。
あまり無理をしすぎないように、できることからやっていきましょう!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?