できなくなったことばかりに目を向けず、 《できることリスト》 を書いてみて、明るく前向きな気持ちで暮らしていく (大変な状況のなかでの暮らしのヒント)
感染のリスクを考えたり、外出自粛の状況で、これまでできたことの多くのことができなくなってしまいました。
楽しみにしていた予定がキャンセルになったり、計画を変更せざるを得なくなったり。
仕方ないと頭ではわかっていても、あれもこれもできなくなってしまっている現状はとても残念ですし、不自由さも感じます。
でも、そんなふうに落ち込んでいても、いいことはありません。
この新しい日常を生きていくしかありません。
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そこで、今自分が「できること」をできるだけたくさん書き出してみます。
紙と鉛筆を用意して、「できること」を思いつく限り書き出してみるのです。
家族とわいわいと、ブレインストーミングのように出していくのもよいでしょう。
「あれもできるね、これもできるね。」
「それで思い出したけど、これなんかどう?」
「いいね、それやりたいね。ほかには……」
そうやって、どんどん出していくのです。
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そうすると、今でもできることがとてもたくさんあることに気づくはずです。
これまでは当たり前だと思っていたこと、忘れていたこと、考えもしなかったこと、そういうことを改めて今「できること」として捉えてみると、「できなくなったこと」の数よりもずっと多いことに気づきます。
そのことを実感すると、閉塞感は和らぎ、前向きな気持ちが生まれます。
そして、実際に気にいったものをやっていくことができます。
我が家では、最近、子どもとおやつづくりをするようになりました。
ケーキをつくってみたり、クッキーを焼いてみたり。
これまでは僕も子どももお菓子を食べる専門でしたが、家で楽しく「できること」として始めてみたら、とてもよい時間・経験となりました。
一緒に片付けをしたり、仕事をちょっと手伝ってもらったり、昼ごはんを一緒につくってみたり。
これまでなかなかできないと思っていたことが、実は今の状況だとできたりするものです。
できなくなったことではなく、できることに目を向ける。
それだけで、未来は明るく楽しいものになっていきます。
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《できることリスト》は、『旅のことば:認知症とともによりよく生きるためのヒント』(井庭 崇, 岡田 誠 編著, 丸善出版, 2015)で紹介されているものです。
認知症になると、徐々に、記憶が失われたり、できることが減っていってしまいます。
そのことは、本人にも自覚があり、あれができなくなった、これもできなくなったと、悲しくつらい気持ちになることがしばしばあります。
そこで、この《できることリスト》を書いて、できることに目を向けることで、まだまだできることがたくさんあるということに気づき、明るく前向きに暮らしていこう、ということをおすすめしました。
実際そういうふうにしている方がいて、明るく前向きに暮らしているので、そこからコツ・知恵として抽出して、おすすめしているのです。
この書籍とカードが出版されたあと、実際に、この《できることリスト》を書こうという会を実施したデイサービスでは、何に対しても消極的だったおばあさんが、「猫に餌をうくる」「餌をあげる」「なでる」というような10個のことを書いただけで、とても明るく前向きになった、という素敵なことがあったおいう話を聞きました。
今の状況も、どこどこに行けない、何々ができないと、できなくなったことの方に目が向きがちです。
ここで一度、できることに目を向けるようにして、たくさんの「できること」があることに気づく、そのことが心の健康のために、とても大切です。
そのたくさんのなかから選びたい放題ですし、まだまだ可能性は広がります。
ほら、ちょっと明るく楽しい気持ちになってきたでしょう?
紙に書き出さなくても、「できること」を話すだけでもよいでしょう。
ぜひ、《できることリスト》、試してみてください。
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