〚詩〛溺死
泥でできた体の足元
ちいさな水たまりが大きく育つ
足首まで 膝まで 腰まで
手を動かすと ばしゃりと音を立てた
こちらに背を向けた柱のような
黒々としたおおきな影は
首に鎖を付けられて、
あるいは自分できつく巻き付けて
頭をぱっくり開いて流し込む
脳から下までぜんぶ体を駆け抜けて
足の底から流れ出す
大きな大きな水たまり
胸まで 首まで ついには口まで
やってきて 影はアイも変わらず
頭をぱっくり開いて流し込む
うしろで泥人形が溶けて崩れて溺れても
ぱっくり開いて流し込む
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