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〚詩〛探し物

暗夜に引かれる幼い手
一枚しかない絵日記を胸に
梟の鳴く墓を掘る
煙草の香りはすれど 骸無き

掘り進めて 掘り進めて
爪に土 口に土
手を離れた絵日記は捨て置き
辿り着いた トンネルの先
分かれ道 未知の道をえらび
駆けて 駆けて
高鳴る胸 逸る足
抱いてはならないものを胸に

見知った一枚の絵日記を拾い
見たくても見れぬ景色は
ぽっかり開いた墓穴に呑まれ
無慈悲に冷たい土を蹴り付けて
梟の声遮って
喚き散らして泣き叫ぶ


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