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〚詩〛たね

ああ うらやましい

一枚の布すら纏わずとも
寒がらず恥ずかしがらず
岩のように堂々として
笑みを絶やさぬ王君よ

いったいどう掛け違えば
そんなにも仕合せな実に仕上がる

ああ うらやましい

ならば 脱ぎ捨てるか
裸体を曝し醜態を晒すか

細いゆびは
みすぼらしい体を包むボロ切れを
しっかと握る

うらやんだのは種なのだ

その馬鹿げた実の中にある
種なのだよ


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