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〚詩〛箱
彼が唯一つ求めるのは 完成された死である
歩み 生の軌跡 満足ゆくものは
数々の七色の宝珠となり 燦爛たる箱に納められる
微温湯でふやけた末人の足が生む
区別のつかぬ平俗な石は 朽ちる木箱に納められる
深い色を携え磨き抜かれた言意を宿す眩い箱こそ
彼の求める 完成された死である
――果たしてこの箱は
完成された死を迎えることができるのであろうか
混濁の目 訪れるべくもない空想を描く手には
中身のない腐りかけた箱
中身のない、腐りかけた箱である
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