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〚詩〛案山子の証

ぽつねんと。
ぽつねんとたたずむ案山子は
荒れ果てた畑にいる

虫のいたずらも気にも留めず
吹き荒れる嵐にも耐え忍び
幾度となく倒れそうになりながらも
ぽつねんと畑にいる

畑を守るのが証であるから
倒れるわけにはいかないのだ

何も知らぬ案山子は
ぽつねんと証を続けている
これから先も、ぽつねんと。

すでに誰も居なくなった村の畑で
ただ、ぽつねんと。


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