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第2回 PowerPoint編 フォーマット

第2回については、スライドのフォーマットについて説明します。

フォーマットについては、基本レイアウトと構成要素について記載します。また、+アルファの内容を説明します。

1つ注意です。ここで紹介するフォーマットは基本の構成要素を提示していますが、所属先(企業・団体など)によって異なることがあります。必要に応じてカスタマイズしてください。

基本レイアウトと構成要素

基本要素は7つです。
①タイトル:スライドのタイトル
②メッセージ:スライドで最も言いたいこと
③チャートタイトル:メッセージの根拠となるチャートのタイトル
④チャート:グラフや概念図
⑤脚注:スライドを知っておくべき留意事項
⑥出典:データの出所
⑦ページ番号:スライドの番号

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ポイントになるのは2つ。

<②メッセージ>
スライドの王様はメッセージです。なぜなら、このスライドの最も言いたいこと=スライド作成者の伝えたいこと、だからです。

メッセージに必要な3条件を、山口周(2012)さんの本から引用します。僕は、3条件をメッセージを作る際のチェックポイントとして使っています。
・1スライド1メッセージであること
・明快な主張があること(ポジションをとっている)
・短い(シンプル)こと

メッセージの3条件

1スライド1メッセージであること
1つのスライドで言いたいことを1つに絞れ、と言うことです。なぜかというと、複数のメッセージがあると伝えたいことがボヤけてしまうからです。

もっと現実的な理由を言うと、複数のメッセージを伝えるためには、必要な情報量が増大します。情報量が膨大=チャートが複雑・煩雑になります。
つまり、ギチギチのスライドが生産されると言うことです。これは避けましょう。複雑なスライドで焦点がボヤけた主張をされても、聞き手はチャートのどこから、なぜ言えるのかがわからず混乱します。

明快な主張があること(ポジションをとっている)
最重要ポイントです。簡単に言うと、「俺はこう思う」を書け!と言うことです。もう少しビジネスライクに言うと、その分析や情報から「何が言えるのか?」「どのような示唆が導かれるのか?」を明確に言い切ると言うことです。
つまり、客観的情報から導かれる主観的を含めた主張です。これがないと、「結局、何が言いたいの?」となってしまい、聞き手はよくわからずに情報の消化不良に陥ってしまします。

ちなみに、「ポジションをとる(「スタンスをとる」とも言います。)」という考え方は、僕がコンサルを経験して学んだ最もダイジなことの1つです。なぜダイジかと言うと、主張がなければ考えがスタートしないからです。

「君はどう思うの?」と問われた際に、「うーん、よくわかりませんな」と言ったら、その話題は終わりです。この会話に1ミリの価値もないです。何のアウトプットも生まれていないからです。

逆に「君はどう思うの?」と問われた際に、「僕はこう思います。なぜなら〜です。」と言えば、そのことがきっかけで、議論が始まり、もしかしたらすごいアイデアが生み出されるかもしれません。1ミリ程度かもしれませんが、アウトプットが生まれているから価値があります。

要するに、「君の物事の捉え方はなんなのか」「それはなぜか」という視点をもたないと、君のコンサルとしての存在価値はないんだよ。と言うことを教えてくれた学びだからです。

もちろん主張すると言うことは反対に晒されるということと同義なので、怖く苦しいことですが、それを乗り越えると、仕事が少し楽しくなるかもしれません。(僕は感覚が麻痺してきたのかもしれませんが。。。笑)

短い(シンプル)こと
これはわかりやすいですね。Simple is Best。
短く単純で明快な主張になっていると言うことです。この大切さは、いろいろな言われ方がされていますね。

僕の好きな考え方に「Less is More」があります。ドイツの建築家=ミース・ファン・デル・ローエが言った言葉とのことですが、「少ない方が豊かである」という意味です。

つまり、引き算(絞り込み)の考え方だと僕は理解しています。本当に必要なものに絞り込んで、そこに集中しなさい、という教えです。
ビジネスで考えると、本質に絞り込み、最小のInputで最大のOutputを出す、という考え方ですね。ダイジなものに絞り込む。このことを肝に明治たいsです。

<⑥出典:データの出所>
見落としがちですが、かなり重要です。なぜなら、情報の正しさを証明するための唯一の手がかりだからです。

データ参照の再現性(誰が調べても、同じ結果がでること)がない、つまり本当かどうか疑わしい情報(≒信頼のない情報)で、物事を判断することは危険です。
しかし、出典がなければ、データの信頼性を担保できないことになるため、その情報は信用できないことになります。

データの信頼性を担保するためにも、必ず出典はつけましょう。

+アルファのフォーマット要素

さて、ここまで基本について説明してきましたが、ここから+アルファの情報をお伝えします。

構成要素
A:付票:全体のどの部分を説明しているかを明示
B:ラベル:図表の読み方についての注意を促す情報
C:コメント:チャート一部についての注意書きや補足
D:サブメッセージ:メッセージから付随的に導かれる概念を述べたもの

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使う分には便利なテクニックです。が、使いすぎると情報量が増加し、鬱陶しくなるため、程々に使いましょう。

僕は付票やラベルは比較的使いますが、コメントやサブメッセージはあまり使いません。

これで第2回目は終了です。
次回からはスライドの構成要素について説明します。

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