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HR豆知識②エンゲージメントを高める方法

エンゲージメントを上げるための方法

前回のブログで、エンゲージメントとは何か?その歴史やエンゲージメントを下げる要因について書いていきました。

前回のブログでもお伝えしておりますが、エンゲージメントという指標はマネジメント指標です。従って、今回はマネジメント職に就く人達が、「どうしたらエンゲージメントを高めることができるのか?」という事に焦点を絞ります。

<管理職の仕事>

図5

管理職の仕事は、ざっくりと5つのアクションに分かれますが、夫々のタイミングでエンゲージメント数値に影響を及ぼす可能性があります。従って、「日々のコミュニケーション」として以下の3点を重要視する事がお薦めと著者は述べています。

エンゲージメントを高める3つの手段

ではその3要素を満たしていくためのアクションは何か。著者は3つあると述べます。

①「”人として”、相手を知る」
②「仕事の価値を見直し、伝える」
③「測定可能な目標を設定する」

①「”人として”、相手を知る」

まずAnonymityを良くするために、「マネージャーは横に座り、彼らの人生に何が起きているかを尋ねよう」と書かれています。このポイントは1on1にもつながっていますが、大事なポイントは”人として相手を理解する”ことであり、部下として理解する事ではないなと思います。

私も30名程度の組織をマネジメントしていた時に、1on1を通じてこれは聞いててよかったなと思えることがありました。

・健康、睡眠に関わること
・プライベートに関わること(家族・友人・キャリア・イベント事)
・職場の人間関係に関わること(部署内・部署外)
・仕事のパフォーマンスに関わること(成功・失敗・悩み)
・会社の方針や意思決定に関わること(意思決定の背景や疑問点)

②「仕事の価値を見直し、伝える」

続いて、Irrelevanceについては、2つの質問に回答するだけ、と書いています。

・Who am I helping?(私は誰を助けているのか?)
・How am I helping?(私はどうやって助けているのか?)

「メンバーの仕事が①誰に、②どんな形で貢献しているのか」をマネージャー自身が問い続け、本人たちが自然と気づいてもらう仕掛けをしましょうということです。

従って、自社のサービスが最終的にどんな価値を生み出しているのか、喜んでいる人は誰なのか、を一緒に考えながらお互いが納得できるものを作り上げる必要があるのです。

例えば、HRにとっての顧客は経営陣と社員です。経営陣が目指すビジョンにHRが貢献できれば、社会に対して還元できること、社員に対して還元出来ることの幅が広がります。
また、社員の日々を効果的に支援できれば、素晴らしいパフォーマンスをすることによって顧客がより満足するようになり、顧客がより良いビジネス活動ができればエンドユーザーが喜びます。

③「測定可能な目標を設定する」

最後のImmeasurementについては、最終的な組織貢献を表すような売上・原価・株価などの本人の仕事からほど遠い指標ではなく、より本人の仕事に近く測定可能な客観データを設定しましょう、という事を書いています。売り上げの達成を褒めるのではなく、何気ない会話における気遣いや期限通りに出されたアウトプットを褒める事の方が意味があります、ということです。1981年ジョージ・T・ドラン博士が著『There's a S.M.A.R.T. way to write management's goals and objectives』(1981年)にて提唱したSMARTの法則とも関連しています。

図2

<NG例: 遠すぎる目標設定>
・売上
・粗利益
・営業利益
・コスト
・株価

<OK例: 測定可能な目標設定>
・ミスの発生件数や発生率
・納期遅延件数や遅延率
・作業工数の改善率
・顧客満足度評価の改善率

マネージャーのあなたに必要なのは、Self-Awareness(自己認識)

感情のABC理論というものがありますが、人間は良くも悪くも、バイアスをかけて物事を解釈する生き物であり、上記の①~③を効果的に行うためには相手の感情や反応を理解する必要があります。

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このバイアスという前提条件に、必要な力がEmpathy(共感)です。

つまるところ、共感するという事は、話に同調するだけではなく、相手の経験から生まれた感情と似た感情を、自分の過去の経験から引っ張り出して話すという事がポイントです。

従って、マネージャー自身が自己認知を高く持つという事が重要なのです。ちなみに、このSelf-Awarenessが高い人は仕事や人間関係への満足度、自己及び社会的コントロール度、幸福度が高く、共感力や他社の視点に立つ能力に長けているという調査結果があります。

この調査結果は、Authentic Leadershipという概念にも良く使われるものです。

Self-Awarenessを挙げる取り組みに興味を持っていただいた方は、ワークの内容を書いていますのでぜひこちらのブログをご覧ください。

最後まで読んで頂きありがとうございます。個別相談、壁当て、情報交換、何かお手伝いできることがありそうでしたら、こちらまでお願いします!

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