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鈴虫鳴く夜明けのチリトマト

バイトが終わって仮眠をとったから
なかなか眠りに付けなくて
気づけば午前4時過ぎ。

小腹が空いたので近所のコンビニに軽食を買った。
今の腹の具合からしてカップ麺だな。
目に付いたのはチリトマト。
これに決めた。

仮にラーメン屋に行って、
メニューに「チリトマトラーメン」なんてものが
あったとしてもきっと頼まない。
けれども、カップ麺となると
その魅力は何よりも優る。

エアコンが唸る機会も減って
だんだんと蝉よりも鈴虫が鳴くようになった。
まだまだ昼間の日差しは強いけれど
夕方の空の高さに秋の訪れを感じる。
夜明け前の子の時間の空も乙だった。

さて、お湯を入れて3分。
この3分が世の中の3分の中で最も長い。
ちなみに、技術的にはもっと早くできるらしい。
だけれど、待つ時間があるからことで
より美味しく感じるのだとか。
わかる、空腹は最高のスパイス。

美味いな。
夜明け前に食べるチリトマト美味。
麺を持ち上げるとメガネが曇る。
部屋の明かりは豆電球にして、
ラジオをかけて、鈴虫の声を聞いて
肌に空気の澄んだ冷たさを感じながら食べる
チリトマトは美味だ。

しまった
先にパンケーキみたいなパンを食べてしまった。
これは余計だったな。
チリトマトだけで十分だ。

さて、これを食べたら眠れるだろうか。
日が昇り切る前に夢を見たい。

それでは。

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