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【詩】【エッセイ】2022年の暮れに「聖夜」「安らかに」「真夏の氷の夢」

聖夜

メリークリスマス、
きみはなにをしていますか。

どこで生きていますか、
たいせつなひとはできましたか。

あるいはあのときの言葉は変わらず、
愛はきみに触れることができないままですか。

硝子窓の向こうにはおごそかに降る雪、
たった一本の蝋燭が
音もなくわたしをみつめています。

この夜をきみと過ごしたことは
とうとうないまま、

わたしはやっと、
きみの夢をみなくなりました。


かすかな炎の
最後のゆらめき。



安らかに


キャンドルの炎がたなびくように、
蜜蝋がすこしずつ溶けてなくなるように
眠りにつきたい。

柔らかな羽毛布団と
身体の温もり、
閉じた瞼の裏には星が走る。

心が目を瞑るというのは
なんとやさしいことなのだろう。


真夏の氷の夢

真夏の氷河のなかで、
夢をみた。

あたりは暗く水色を極めたような温度の中で、

ぼくはステージに立っていた。

詩を詠んでいた。

口からなめらかに紡ぎ出される言葉は
講堂の座席を縫い、
ひとりひとりの観客の胸に
玉結びされていくのを
ぼくは知っていた。

ぼくの背後には
幾千もの光のドット、
描き出される花鳥風月。

天井に輝く星の閃光が
かつて幾度も目にした
愛してやまないそれであると知ったとき

すべての氷河を断ち切り
未来へ歩む導であると知ったとき、

氷は溶けて雪となった。

見はるかす地平線の彼方、
今年さいごの陽が
沈んでいくのを目にして

ぼくはそっと目を閉じた。



さいごに

ぎりぎり滑り込みでの、2022年・年納めの投稿になります。

今年はほんとうにいろいろなことがあった一年でした。

とくに創作に関していうと、とある忘れられない出来事があったので、その話をひとつ。



今年の夏は、とつぜん底なしの奈落に落ちたような気持ちがした季節でした。

詳しいことはこちらでは省きますが、
今までずっとたいせつにしていた表現活動を
とある原因から諦めざるを得なくなり、
失意の底に沈んでいました。


ですがそのとき、
私が心情を吐露した記事に
noteの「サポート」機能を送ってくださった方がいらっしゃったのです。


創作、表現というものを諦めかけていた私にとって、
わたしの創作活動に応援の言葉と贈り物をくださった方がいるということが、
その方の送ってくださったサポートが、
言葉では言い表せないくらいの励ましとなりました。

そして、noteというものが運んできてくれた、あたたかい人とのつながりも。


もしその方が今この記事を読まれていましたら、改めて心からの感謝をお伝えしたいです。
あのときは、ほんとうにありがとうございました。


それでは、今年もnoteでの創作活動が送れたことに感謝して、
今年の創作納めとさせていただいます。

ここまで読んでいただき、ほんとうにほんとうにありがとうございました。

来年も、どうぞよろしくお願いいたします!

Mei(メイ/明)


「和のイルミネーション HANAあかり 〜HANABIYORI × 竹あかり〜」

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