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塩とビール


今回は、塩を使ったビールについて軽く書いていこうかと思います。

私の働いてるお店で、本日塩を使ったビールをリリースしたのですが
ビールに塩?って方もいると思いますし、
どのくらい入れるの?って気になる方もいると思いますので軽くメモ書きです。

塩を使ったビール、といえばゴーゼ(Gose)を思い浮かべる方がほとんどではないでしょうか。
ドイツの酸っぱくて塩っぱいスタイルで
乳酸菌を用いて酸っぱく、塩を直接ビールにぶちこんで塩っぱく、あと伝統的にはコリアンダーを使ったりするようです。

酸っぱくて塩っぱい、に真っ先に思い浮かべるだと真っ先に思い浮かべるのは梅干しですかね?
あそこまで塩っぱい塩分濃度のビールは実際にはあまり出会ったことはありませんが
梅干しインスパイアのビールは私の働いてる会社からもリリースしたことが過去に何度かあります。
本当にめっちゃ酸っぱいですし、塩っぱさがあってナニコレ!?って最初なるんですが圧倒的に記憶に残るし、美味しくてクセになるビールでした。

他にもRISE&WIN KamikatsuのBeyond The Seaという徳島県上勝市の海塩と柚香を使ったゴーゼもめちゃくちゃ美味しかったです。

あんなビールつくりたい〜!と思っていた今年の夏、ちょうど良いタイミングが回ってきたので早速レシピに取りかかろうとしたものの
どんだけ塩を入れたら良いかがわからない(笑)

なのでネットの情報を漁りまくり、他のブルワーとかにも聞いたりと奮闘しましたが
千差万別すぎて余計に悩むばかりでした。

悩みに悩んだ結果、500Lの仕込みに対して1kgの塩を使用しました。グラムでいえば2g /
Lで、多分?割と多い方です。
スタイルはピンクグゥァバを入れたゴーゼで、ハイビスカスも少し入れて色味もピンク色にしました。
もう少し量を多く入れて攻めたかった気持ちもありましたが、試飲して足りないと感じれば後から入れられるけど入れすぎたら塩味は抜けないな、と思いこの量にしました。

仕上がり的には、塩梅のよく効いた、酸っぱくて塩味もしっかり感じられるかなりイメージに近い味わいになりました!

そして最近、また塩を使ったビールを仕込むタイミングがありました。

Mexican Lagerを仕込んだのですが、
どんな仕上がりにしよう?と色々悩んでいて、ボスに相談したら「塩とライムを使ったメキシカンラーにしたら?前にカナダで美味しいのを飲んだことあるよ!」とアドバイスをもらい
確かにめっちゃ美味しそう!テキーラのショット飲む時みたい!と自分の中でもしっくり来てそうすることに。

ただ、ここでまた悩んだのが塩の量。
塩を入れたラガーなんて周りでつくってる人誰も知らなくて、あまりレシピも見つけられませんでした。
前回のゴーゼを思い返すと、同じくらい入れてもいいかな?とも思ったのですが
ふとエビチリのことを思い出しました。

エビチリって、豆板醤で炒めてる時は結構塩っぱくて、失敗した?って不安になるほどなんですが
仕上げにお酢を回しかけると不思議とさっきまで感じてたキツい塩味が和らいで不思議と味がまとまるんですよね。

同じ原理で、ゴーゼの時は酸味があった分、入れてる量ほど塩を感じていなかったはず、
今回は酸味がない分少し控えめな方がいいのでは?と思い、半量の1g / L にしました。

結果的には量を減らして大正解でした!
塩味も感じるのですが、塩っぱいというよりは、塩が全体の味わいを引き締めてくれていてめちゃくちゃ美味しいです。

結果的に思うこととしては、ビールの仕込みの際の水質調整で、塩を使うとビールの"コク"を改善されると言われていること、
塩を使うことによって甘みや旨みが引き出さられる、といった料理の技術的なことが起きてるのでは?と自分の中では捉えています。

今回は醸造技術、というよりは塩を使ってみた感想みたいになってますが面白いトピックになってるのではないかと思います。

是非皆さんの思うビールにおける塩使いについてシェアしてもらえると嬉しいです!

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