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【知識から自由になった学び】

アンスクーリングでは、知識は与えられるものでなく、自ら身につけていくものだと考えています。学ぶ者の興味関心にもとづき学んで行くと、自然と疑問を抱き、自ら必要を感じ、人に聞いたり、調べたりします。

知識が身につくために基本となるのは、必要性を感じることです。「将来のために必要」というだけでは、好奇心が湧かないだけでなく、結局は必要としなかったものも出てきます。もし、必要性を伝えたいと思ったら、それが必要になる場面を暮らしから見つけることをアンスクーリングでは大切にします。

私は、東南アジアにあるカンボジアの大学で、大学生や大学院生の授業を持っています。大学は学校教育の集大成とも言える場でしょう。それまでの学校教育の結果が見えます。以前、社会人大学院生からこのような質問を受けました。

「良いビジネスパーソンになるためには、どんな知識を身につけたらいいでしょうか?」

知識は誰かから与えられるものと考えていると、社会人になってもこのような質問をし続けます。本人が必要としているものが何なのか、本人もわかっていないのです。

このようなことが起きる要因の一つとして、学校教育で知識を身につけること優先したあまり、学生たちは100点を取るための勉強をしてきたことがあると思います。どこかに「正しい知識」があると勘違いし、知識には答えがあると思ってしまっています。

こうなってしまうと、考えさせる授業で学生は思考停止し、答えがない怖さに直面します。そして、「自分には知識がないから答えられない」と思います。さらに、答えがないことについて、その時のオピニオンリーダーやインフルエンサーの言葉をもっともらしいとコピー&ペーストします。

疑問が湧いて必要だから知識を身につけた場合、わからないことはまず考え、そこで足りない情報を知識として新たに身につけていきます。こうしていると、もしかしたら、知識の量としては少ないこともあるかもしれませんが、考える量は増えていくでしょう。考えれば無知の知にぶつかり、またそこで学んでいきます。

現代は、幸いにも知識や情報を必要なタイミングで得られるインフラがあります。これはインフラがなかった時代と比べて大きなメリットです。

知識は学ぶ者が必要とした時に身につけ、それをもとに考え、さらに学び続けるという生涯に渡る学びを大切にする。それがアンスクーリングです。

「誰もが自分の経験、知恵、学びをシェアできる世の中に。」というビジョンを持って、学びの場を作りをする資金に使わせていただきます!