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僕たちがつくる理由。それは、モノ・コトに共感できたから。

とある、大御所の写真家にこういう質問をした。

「どういう瞬間にシャッターを押すんですか?」

「イムさん、僕ね、すぐ好きになるんですよ。
だから、被写体が愛おしく思えた時にシャッターを押すんです。」

この言葉を聞いた時、ハッとした。

確かに、自分がものをつくっていくことの原動力ってなんだろうって思い返すと、クライアントのモノやコトが好きだからこそ、自分ごとのように考え、どうしたら目的を果たすことができるんだろうと必死になって行動していたんだと。

巨匠の言葉に納得した自分のことを、最近よく思い出す。

「共感力。」

これは、もしかしたらクライアントワークをする身としては、絶対的に必要な力なのかも知れないと、より一層思うようになった。

人生の経験から直感的に共感できることもあるけれども、それだけじゃ自分ごとにはできない。「共感」するためには知る必要がある。知るためには経験する必要がある。見る聞くだけでなく、身体に経験として刻み込む必要がある。

無意識だったとはいえ、「共感」がクライアントワークの原動力となっていて、振り返るとそれを獲得するために、必死に会話し、聞き出し、伝え、五感を研ぎ澄まして体験していたように思う。

我々がやっているのはデザインなのである。デザインとは何かを解決することであると根底するならば、解決するためには共感した状態で問題や目的設定をしなければ、正しい解決には導けない。

共感を通して、問題を定義し解決の糸口を探っていく。このスタートラインがどんなに大切なことであるかを改めて認識した。そして、共感を持ち続くことができる限り、これを原動力に、ずっとつくっていくことができると思わされた。

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