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五歩目:空想ごっこ

夕日ヶ丘探偵団

子どものころ、友だちと2人で空想しながら登下校するのが好きだった。プリキュアやどうぶつの森で空想することもあったが、一番好きな設定は「夕日ヶ丘探偵団」だった。夕日ヶ丘探偵団は、わたしたち2人のオリジナルで作った物語だ。

夕日ヶ丘探偵団の誕生は、小学3、4年のときに2人が偶然にも同じ探偵物の小説にはまったのがきかっけである。ドレミちゃんの髪型の女の子が主人公で、仲間とともに危機を乗り越えつつ、事件を解決していくお話。既存の設定に飽きていた2人は、その小説をもとに物語を作りはじめる。タイトルの夕日ヶ丘探偵団は、NHKの教育テレビでたまたま見た「夕陽ケ丘の探偵団」を参考にした。

キャラクターを考えるのも物語を紡いでいくのも本当に楽しかった。わたしたちはすっかり空想のベテランになっていて、「ああしよう!、こうしよう!」って感じに次々にアイデアが出てくる。友だちは絵を書くのが上手だったので、実際にキャラクターを描いてもらったこともある。頭の中で描いたものが形になって、嬉しくてしかたがなかった。ちなみに登場人物はこんな感じだった。

香:主人公。ドジっ子だが、頭が良い女の子。セミロング。
勝美:運動能力に長けている女の子。ツインテール。
光希:中性的な顔の男の子。動物によく好かれる。
元太:体格が良い男の子。食いしん坊。
将道:メガネをかけた男の子。頭の回転が速い。
静香:大人しい女の子。時々、毒舌

いつしか2人で空想ごっこをしなくなったが、わたしにとっては楽しい思い出。友だちとはお互いに違う高校に進学し、そのまま疎遠になってしまった。別の友だちによると、成人式の同窓会には来ていたらしい。友だちに再開できたときには昔の思い出に花を咲かせることができたらいいな。


ベッドのうえの住人

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