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Art Blakey & The Jazz Messengers「A Night In Tunisia」:張り巡らされたリズムに包まれ、音の宴は続く

ジャズを聴き始めてしばらく経ったとき、1950~60年代のジャズに食指が向きました。好きなミュージシャンの音楽的ルーツをたどる旅は、自分にとって欠かせない音楽の楽しみ方のひとつです。好きなジャズ・ミュージシャンが紹介する曲や、ジャズが好きな著名人のエッセイで知った曲を手当たり次第に聴いて、広大なジャズの世界の一端を知ります。圧倒されつつも魅力的なメロディや心惹かれる演奏を楽しみました。

そうした旅の途中で出会った作品のひとつがArt Blakey & The Jazz Messengersが1961年に発表したアルバム『A Night In Tunisia』です。Art Blakeyの力強い爆音ドラムを軸にしたダンサブルな曲や渋く聴かせる曲が聴けます。目の前で繰り広げられる音の宴。どうやら僕はリズムが乱舞するジャズに惹かれるようです。

表題曲の「A Night In Tunisia」はトランぺッターのDizzy Gillespieが書いた曲で、Art Blakeyはことあるごとに取り上げてレコーディングしたようです。1961年に録音された音源を聴くと、Jymie Merrittのベースが疾走し、Bobby Timmonsのピアノが鋭く切り込むプレイに震えました。乱れ飛ぶドラム・ソロからピアノ、Wayne Shorterのテナーが飛び出すところも素晴らしく、気持ちを熱くしてくれます。格好良いポイントがいくつもあり、数多の人を魅了したのも頷ける演奏です。


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