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名刺代わりの読書遍歴&お気に入り本51冊紹介

名刺代わりに読書遍歴とお気に入り本を書いておこうと思います。

本を読み始めたのは中学3年から。それまではまったく本を読まないし、勉強もしない子どもでした。

ただしゲームは好きで攻略本はよく読んでました。これ意外と馬鹿にならないんですよね。かなり高度な文章だったり設定だったりが登場するわけで、それを理解することで読解力が伸びたと思います。

中学3年のときに事件が発生。友人から本を借りて(というか半ば押しつけられて)、それから小説を読むようになったのでした。

東野圭吾とか恩田陸とかだったように記憶しています。そこから宮部みゆき、綾辻行人、森博嗣、小野不由美とかを読んでいきました。当時流行っていた面々。こうしてみるとこの人たち今でも人気あるからすごい。

大学から小説以外の本を本格的に読むようになりました。

最初は社会的な問題に興味があったのですが、しばらくして哲学にハマります。最初に読んだのはバートランド・ラッセルの『哲学入門』。「自分と同じようなことを考えてる人がいるんだな」と思ったことを覚えています。ラッセルからウィトゲンシュタイン→ハイデガー→カントというふうに関心が深まっていって、最終的にはドイツ哲学好きに落ち着きました。

ドストエフスキーにハマったのもこの頃。僕のいちばん好きな作家です。

宗教書とかを読むようになったのもこの辺。20代序盤まではガチガチの唯物論者だったのに、なぜか変わったんですよね。ひょっとしてウィトゲンシュタインとドストエフスキーの影響か?

洋書の多読を始めたのも大学時代でした。最初はハリーポッターを通読するのも苦行オブ苦行でしたが、3年くらいすると古典以外は楽に読めるようになります。

こうしてみると大学時代に好みが出来上がっていて、基本的な好み関心はそのまま推移している感じがします。


以下、ジャンルごとのお気に入り本。文学系、哲学系、社会科学系、自然科学系、実用系の順番に紹介します。

文学系の本

ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』

大学生のときにちょうど亀山訳の光文社古典新訳文庫バージョンがブームになっていました。そこで興味をもって読んでみたところ、2度とドストエフスキーの沼から抜け出すことはなかったというわけです。

ディケンズ『デイヴィッド・コパフィールド』

『オリバー・ツイスト』が面白かったから最高傑作と言われるこっちも読んでみた。確かに尋常じゃなく面白い。ユーモアが爆発している。ディケンズはどこか絵画的な文学です。ユーモアを訳出できている岩波文庫版がおすすめ。

オースティン『高慢と偏見』

これもディケンズと同じ年に読んでハマった。その後オースティンの6大小説はぜんぶ読みましたが本作が一番おもしろい。

フィリパ・ピアス『トムは真夜中の庭で』

児童文学ならこれが屈指。深い感動があります。

ブッツァーティ『タタール人の砂漠』

いつになっても始まらない人生の退屈を描いた幻想小説。しんみりと感動する。

ヴェルメシュ『帰ってきたヒトラー』

抱腹絶倒のユーモア小説。風刺も強烈。

シェイクスピア『マクベス』

ドストエフスキーの次に好きなのがシェイクスピアの作品。名作はいくつもありますが1つ選べと言われたらこれ。新潮文庫の福田恆存訳がベストかと思います。

チェーホフ『三人姉妹』

ロシアの劇作。ブッツァーティは始まらない人生の退屈を描きましたが、チェーホフが描くのはむしろ終わってしまった人生の退屈。深い感動があります。

ベケット『ゴドーを待ちながら』

チェーホフやブッツァーティ同様、根源的な退屈をテーマにした名作。これは感動的なものはとくにないんですが、人を慰める謎の力をもちます。

夏目漱石『坊っちゃん』

初期のユーモラスな小説。個人的にシリアスな純文学よりもこういうのをもっと書いてほしかった。

谷崎潤一郎『細雪』

日本文学を代表する長編小説。谷崎の異色作。朝ドラっぽい爽やかなノリ。

加藤周一『日本文学史序説』

古代の万葉集から戦後初期の小説までをカバーする超名作。日本思想史として読むことも可能。なにげにブックガイドとしても優秀。加藤周一は真に頭のいい人間のひとり。

森有正『ドストエーフスキー覚書』

日本人が書いたドストエフスキー論ならこれが出色の出来。感動的なエッセイになっています。

中井久夫『世にひそむ患者』

伝説的な精神科医が書いたエッセイ。この人は文学的な才能にも恵まれていて読んでいると落ち着きます。

恩田陸『月の裏側』

この人は名作が多いですがこれを挙げる。『光の帝国』とこれのどっちかがマイフェイバリット。

宮部みゆき『蒲生邸事件』

この人も名作が多いですがやはり隠れた良書のこれを挙げたい。『ブレイブストーリー』もおすすめ。

小野不由美『十二国記』

ファンタジーならこのシリーズが一番面白い。

森博嗣『笑わない数学者』

S&Mシリーズはどれも面白かったですが、一冊挙げろと言われたらこれ。

土屋賢二『われ笑う、ゆえにわれあり』

哲学者によるユーモアエッセイ。こういうのを書かせたら、たぶん日本人でこの人の右に出る者はいないと思う。

佐藤優『獄中記』

東京拘置所に勾留された512日の記録。なぜか異様に面白く、人をモチベートする力に満ちています。


哲学系の本

レイ・モンク『ウィトゲンシュタイン 天才の責務』

たぶん自分が一番影響を受けたのはウィトゲンシュタイン。本作はきわめて高い評価を得ている伝記。ウィトゲンシュタイン自身の人格がものすごいから、伝記は自然と面白い読み物になる。

ハイデガー『存在と時間』

一番好きな哲学書は何かと言われたらおそらくこれになる。今までに3回読んだ。

ラッセル『The History of Western Philosophy』

世界でもっとも有名な哲学史本。ラッセルは数学者兼哲学者でウィトゲンシュタインの先生でもある。何度読んでも面白い。

ウィリアム・ジェイムズ『宗教的経験の諸相』

プラグマティズムのボスにして心理学者でもあったジェイムズ。本作は宗教を個人の内的体験から解き明かした古典的名著。ウィトゲンシュタイン、西田幾多郎、鈴木大拙らにも大きな影響を与えた書。

ヘーゲル『哲学史講義』

僕が一番重要だと思う哲学はヘーゲルのそれ。とはいえ『精神現象学』とかは難解すぎて「好き」とは言えない。むしろ講義録が読みやすく面白い。これを文庫化した河出書房は神。

プラトン『パイドン』

この人の作品は文学的な傑出度が異常。哲学的議論のパート以上に、なんということのない場面の文学的描写、そして宗教的な信仰に関するパートがすばらしい。

ショーペンハウアー『幸福について』

文学的才能のある哲学者といえばこの人も忘れちゃいけない。知恵とユーモアに満ちた哲学的エッセイ。

柄谷行人『探求』

僕が一番好きな日本の書き手は柄谷行人。どれを読んでも面白いですが一冊挙げるならやはりこれか。

木村敏『分裂病と他者』

精神病理学の世界的権威。ハイデガーや西田幾多郎の哲学を援用して、患者の世界観を内側から描きます。

岩崎武雄『カント』

伝説のカント研究者による伝説の研究書。明晰どころの騒ぎじゃない。こんなふうに哲学書を理解し、それをアウトプットできたらなと憧れずにはいられない。

パラマハンサ・ヨガナンダ『あるヨギの自叙伝』

20世紀初頭、西洋にヨガを広めた伝説のヨギによる世界的名著。ユーモラスで楽しい本。しかし同時にとてつもなく深い境地を提示している。スティーブ・ジョブズの愛読書だったことでも知られます。

ラマナ・マハルシ『あるがままに』

こちらも20世紀初頭のインドに生きていた伝説的グルの言葉。マハルシは著作を遺さなかったので、すべてインタビューの受け答え。崇高すぎる境地。

エックハルト・トール『ニューアース』

現代のブッダによる超強力な瞑想本。内容がすばらしいだけでなく、本書を読むこと自体がマインドフルネスになる。本書の終盤でトールの語る「DoingからBeingへの価値転換」は非常に重要なメッセージ。

エベン・アレグザンダー『プルーフ・オブ・ヘブン』

アメリカを代表する脳神経外科が臨死体験を経験してしまった。彼はそれを医学的に考え抜き、従来の唯物論的信条から新しい生き方へとシフトします。個人的にかなり影響を受けたかも。哲学や文学、宗教を見る目が変わります。


社会科学系の本

岡義武『国際政治史』

上述の岩崎武雄に通じるものがある存在。ゴリゴリのアカデミック界のボスなのですが、その文章はなぜか魔術的に読者を引き込む明晰さと力強さをもち、一作品としても超面白い。

富永健一『日本の近代化と社会変動』

パーソンズの社会システム論を日本の近代史に当てはめる作品。こんなふうに理論が使えるのかという面白さ、そして独特な観点から切り取られる日本史の面白さ。

山折哲雄『聖書時代史 旧約篇』

旧約聖書がどのような歴史を背景に成立したのかを実証的に探る本。新約版も面白い。

キッシンジャー『Diplomacy』

アメリカの伝説的外交官による名著。ウェストファリア条約の成立から冷戦集結までの国際政治の歴史。人物に焦点を当てる書き方がキャッチー。岡義武とはまた違った面白さ。

E.H.カー『危機の二十年』

こちらも国際政治学の名著。第二次世界大戦勃発までの戦間期の国際政治を分析。この人も魔術的な文章の面白さをもちます。ロシア文学への造詣の深さがなせる業か。

マンキュー『マクロ経済学』

経済学の教科書といえばマンキュー。異様にわかりやすい上になぜか面白い。短期と長期をわける思考アプローチは他の分野にも応用可能。


自然科学系の本

カルロ・ロヴェッリ『すごい物理学講義』

量子重力理論のひとつループ理論の第一人者による啓蒙書。原書はイタリア語。わかりやすいだけでなく知的厚みがすごい。いかにもヨーロッパの知という感じ。

ブライアン・グリーン『宇宙を織りなすもの』

こちらは超ひも理論の第一人者による啓蒙書。ロヴェッリほどの多彩さはありませんが、専門的にさらに踏み込んだ解説をしてくれます。しかもわかりやすい。グリーンの最高傑作はこれだと思う。

ビル・ブライソン『人類が知っていることすべての短い歴史』

無味乾燥になりがちな科学史というジャンルをここまで面白く書ける才能よ。自然科学のあらゆるジャンルの来歴を楽しく学べてしまいます。

ピーター・ブラネン『第6の大絶滅は起こるのか』

古生物学の本。物悲しくもありかつワクワクもする良書。

中谷宇吉郎『科学の方法』

科学論の古典的名著。著者は物理学者であると同時に名エッセイストとしても有名。本書の文章もきれいでわかりやすい。

野家哲一『科学哲学への招待』

科学哲学の本でもっともわかりやすくまとまっているのはたぶんこれ。この人の著作は基本的にハズレ無し。


実用系の本

デヴィッド・バーンズ『いやな気分よさようなら』

認知行動療法のバイブル。心や過去の出来事に注目するのではなく、現在の思考や行動を変えるアプローチが特徴。

ヘイル・ドゥオスキン『セドナメソッド』

ある種の瞑想テクニック本。即効性がすごい。

野口悠紀雄『超勉強法』

伝説的なベストセラー。英語の音読法など、かなり影響を受けた覚えがある。この人は本業の経済系の本も良書を連発します。

山口周『独学の技法』

流行っていた『独学大全』のついでになんとなしに読んでみたら、こっちのほうが格段に強烈で「この著者は何者?」となったのでした。この人の本もハズレがない。

國弘正雄『英語の話しかた』

「通訳の神様」として知られた達人による学習指南書。内容的にも役に立ちますが、それ以上に読者をモチベートする力が強力。

森沢洋介『英語上達完全マップ』

瞬間英作文の考案者による英語学習本。学習者ごとにタイプはあるので一概には言えませんが、英語を勉強するなら基本このテキストの言う通りにやっておけばオッケーみたいなところあります。

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