戦況の整理と見通し

箱戦車、新型コーブゲージ付きのT-90M、
滑空爆弾、ロシア側の航空優勢、
152㎜砲弾薬の生産量、北朝鮮による152㎜砲弾薬の援助、北朝鮮による無誘導ロケット弾などの援助、
イランによるシャヘドの援助、
イスカンデルなどの極超音速ミサイルの量産状態、そしてウクライナ発電所へのインフラ攻撃、
これらを総合すると、ウクライナ側の人的資源が何時まで耐えられるか、
耐えるべきなのか、
そこが問題になってくる。

米国による600億ドルの援助の中身を観てみると、戦車、自走砲、これらがほぼ尽きており、砲弾薬は105㎜が入ってきている。155㎜は無いわけではないが。
ただ、砲弾薬としての105㎜は、152㎜に対しては、単純に射程すら劣勢である。
チェコによる砲弾薬の援助は6月以降。
本当に来るのか、それ自体がやはり怪しい。

そして、両軍共に大量のドローンを投入しているが、ロシア側発の敵撃破動画は枚挙に暇がない。
撃破後の状況を偵察ドローンから撮影しているものが多数あり、電波妨害が効いていないか、劣勢で妨害資材が前線に届いていないか、そのどちらかではないかと推察する。
突入するまでの動画では、基本的には撃破の証拠にはならない。
そして、操縦者たちが熟達した結果、ドローンの侵入角度がエグいので、旧来の塹壕では、ドローンが捻り込まれ、塹壕ごと吹き飛ばされている。
電波妨害が成立している防衛地点があれば、重要な目標として、滑空爆弾やイスカンデルが襲ってくる、そういうキルチェーンが成立しかかっている。

米国製戦闘機、F-16はステルス機ではないため、MiG−31による長距離空対空ミサイルの脅威にさらされる。
そして、重要な問題として、この地域の砂塵や低空の飛散物に対して、ウクライナ空軍がかつて装備していたMiG−29等のロシア側装備は、地面側の吸気口に蓋をして、飛散物によるエンジントラブルを防ぐ機能を備えていたが、米国製戦闘機にはその機能がないことだ。
このため、離陸前に出力が低下したり、離陸できなくなる事例が出てくる、そう想定することができる。
なお、空対空ミサイルなどの補給は、多少マシになる可能性がある。
また、F-35ステルス戦闘機などをポーランド以西から投入し、実際にはステルス戦闘機であるF-35から攻撃しているのに、非ステルス戦闘機であるF-16の戦果として発表する、そういう欺瞞攻撃をNATOが開始する可能性は残っている。
これを念頭に、ロシア側は『離陸が確認されれば、ポーランド以西の飛行場も攻撃対象に加える』と、既に警告を発している。

忘れっぽい我々のような西側の民は、
クロッカス・シティ・ホール
で起きていた惨劇が、3/22であることを半ば忘れようとしている。
しかし、首都でテロ攻撃が行われたことは明白であり、ロシア側の復讐心は充分に滾っている。
お暇なら、イェール大学、322、で検索を行ってほしい。
これは、彼らのカーニバル、生贄の儀式であり、彼らがこのテロ攻撃の背後にいることを誇示している、そう解釈するほかはない。
これは、ウクライナそのものが属国であり、植民地であり、実行犯ではあっても、決して主犯ではないこと、思想的背景は米国側にあること、これらの誇示であり、一言でまとめると、核戦争への挑発である。
今のところ、幸いにして、プーチン大統領の自制と戦略性により、ロシアによる核兵器の使用には至っていない。
しかし、クロッカス・シティ・ホールでの惨劇は、西側、というかファイブ・アイズによるロシア側指導部のアタマを沸騰させるための挑発であり、それにロシア側が乗らないのは、幸運と忍耐によるものである、そう認識する必要がある。

ウクライナ側は、この5月の18日をもって、ゼレンスキー大統領の本来の任期が切れ、民主主義政体では完全になくなることに気付いているとは思うが、選挙は行う予定がたっていない。
これは、上記のテロ攻撃と相まって、
『南京(キエフ)政府を対手とせず』
が本格化することを意味する。

ウクライナの鉄道は、蒸気機関ではない。
基本的に電気機関である。
昨年度まではわざわざ、復旧可能な『変圧器』を精密に狙い撃ちしていたが、今は(原子力発電を除く)発電所そのものが多数攻撃されている。
これは、今からの夏においてこそ、ウクライナの人民にとって耐えられる限度かもしれないが、この冬には地獄が始まる。
これを緩和するために、ポーランド側から給電し、国境に近いリヴィウに主要な政府機関を移転する、そういう段階が訪れると想像できる。








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