【勉強会】韓国では、性暴力被害が多発した経験から、実践的な性教育が行われている!

あいあむのなつみです☺
今回は勉強会性教育編の第2弾としまして、韓国の性教育をみていきましょう!

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包括的性教育とは?
包括的性教育とは、その名の通り多くの知識を、包括的に行う性教育のことです。
今日、国連諸機関を中心に提唱されている包括的性教育は、従来の生殖や避妊を主とした教育から、人権を尊重する、コミュニケーションスキルの習得を重視する包括的性教育 (Sexuality Education)へと変化・発展してきています。
包括的性教育は、性をウェルビーイング (幸福)、すなわち良きものとして肯定的に捉えます。
包括的性教育の価値観の支柱となっているのは、人権、ジェンダー、性の多様性です
(詳しくは『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』をご覧ください!(桜美林大学の図書館にもあるよ))


さて、では早速見ていきましょう!

韓国と言えば、今話題のNiZiUですね✨大好き💛笑
そういえば、あいあむに新しいメンバーとして入ってきてくれた子が、なんと韓国語がすごくできて、今回の韓国の性教育事情やその背景などいろいろと教えてくれました✨
そのお話も織り交ぜながらお話しします!

現在の韓国の性教育のカリキュラムに関してはわからないことが多くありますが、現在使用されていると思われる教科書などから、同国の性教育を探っていきたいと思います!
(現在のカリキュラムが分からない理由は、後にお話しします!)

まずはこちらをご覧ください!

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こちらは韓国中央日報による2020年11月8日の記事に写っていた画像。
前にある模型は母体の模型でしょうか。。。
赤ちゃんまでいますね。
子どもたちはこの模型を見ながら、胎児の成長過程について学んでいます。

非常に分かり易いですね。

では、つぎに教科書を見ていきたいと思います。

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こちらは韓国の高校保健の教科書。
(보건 교과서·지도서 (2009) )

避妊法についての部分ですね。
上にあるのが、経口避妊薬。下にはコンドームのつけ方が絵を用いて分かり易く解説されています。

日本だと、性交については指導されないんですよ!
なのでもちろんコンドームのつけ方などは教わりません。


そして次はこちら。
韓国の性教育の教科書で多くみられるのは、性暴力抑止に関するユニット。
実は韓国では性暴力の被害が多発したことから、性教育でその被害を防止しようという考えが広まったのです。

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YBM/Si-sa(2011)『초등학교 5학년 함께 하는 보건: 경기도 교육청 인정교과서』
(『小学5年生の健康管理:京浜道教育庁認定教科書』)

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「06 性暴力とは何ですか?」というユニットのタイトルと共に、「性暴力の意味を説明できる」、「性暴力を予防する方法と対処法を知り、実践できる」という2つの学習目標が設定されています。

↓こちらの教科書では、性暴力を受けた後の対処についての説明がされています。

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(보건 교과서·지도서 (2009) p.138 )

図には、体を洗わずに病院へ行くこと(体液などから犯人を特定するため)や、告訴するかどうか決めるなど、手順が分かり易く示されています。
また、図の右側には、セクハラを受けた後は6か月以内、性的暴行は1年以内に告訴することが明記されています。
性暴力は犯罪であるということが強調されていますね。

日本だと、セカンドレイプといって、性暴力の被害者に責任があるという批判がなされたこともありましたね.....。
このようなセカンドレイプを防ぐことも意図としてありそうですね!。

韓国の性教育は非常に包括的ですよね!✨


でも、実は韓国は強い儒教思想の残る国なのです。
例えば「男尊女卑」「三従之道」などの言葉に代表される儒教の教えは、男性中心社会を支える理念であり、女性は厳しい儒教規範の中で生きてきました
あいあむのメンバー曰く、現在でも儒教の思想は韓国社会に広く浸透しているそう。

なので、性教育も「眠っている子どもをわざわざ起こすようなもの」と非難されてきました。

…..あれ?なんか聞いたことあるフレーズですよね。
そうです、日本にも、性教育は「寝た子を起こす」という考えがありますよね。

では最後に、韓国の最近の性教育の動向が不明な理由についてお話ししたいと思います。


韓国では2015年に新しい性教育のカリキュラムが発表されましたが、実はそこには幾つかの問題点があり、今は非公開となってしまっているんです💧


その問題とは、例えば同性愛やLGBTの指導をカリキュラムに組み込まないことや、女性差別や性暴力を助長するような表現が記載されたことです
新しいカリキュラムには国内外から批判が殺到したのですが、一部の学校では、新しいカリキュラムで指導してしまっているところもあるそう...。

なぜ2015年に、このような指針を政府が出してしまったのかは、今回はわかりませんでした...。


ですが人々は、上述したように、包括的ではない性教育へ批判の声をあげたり、実際に、性教育の教科書も非常に充実しています。
政府のカリキュラムに対して反発の声が国内からも上がるということは、韓国の国民が、多様性を尊重や男女平等の考えが根付いているとも考えられますよね!

日本の社会と性教育に対する価値観が似通っていることから、韓国の事例は、日本の性教育に活かすことができるかもしれません。



さあ、次回はこの間の大統領選でも世界中が注目したアメリカの性教育です!


なつみ







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