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ワンピースと旅して

ワンピースが昔から好きで、よく着ていたみたいだ。思えば母は手作りのワンピースを私に着せてくれていたらしい。小さい頃で記憶にはないのだけど...、その事実があるというだけで、とてもあたたかな気持ちになる。

ワンピースの良いところ。一枚でコーディネートが決まるところ。だけど小物次第で雰囲気を変えることができるところ。楽ちん。動きやすい。華やか。などなど。

夏にワンピースを着ていた私を見て、ゴールデン街のバーのママが「良かったら」と、お下がりのワンピースをくれたことがある。
ボルドーの花柄ワンピース。某ブランドのもので、しっかりとした作りと上品なデザインが今では逆に目を惹く。
「随分前のものだけど、まだまだ陽の目を浴びてもらいたいワンピースで。ニーナちゃんには似合うこと間違いなしよ!」と、私に譲ってくれた。

これがそのワンピース◎

ママがくれたワンピースを着ると、背筋がしゃんと伸びる気持ちになる。このワンピースに相応しい女性でありたいと思う。そんな風に私の気分を上げてくれる、唯一無二のワンピース。

思えば今まで様々な場面をワンピースと共に過ごし、時にはくぐり抜けたり駆け抜けたりしてきた。

買ったばかりのワンピースをるんるんで着て出勤したら、お客さんに「今日なんか可愛いね?!」と言ってもらえて「いつも可愛いわよ!!」と照れ隠しに言い返したり。

ユニクロで買ったワンピースが色違いで共演者さんと被って「一緒だ!このワンピース便利だもんね!!」と楽屋で笑い合ったり。

クリスマスにデートをしたもののアッサリ振られて、帰宅直後に泣きながら脱いでそのまま捨ててしまったワンピースもある(ごめんね...。)

私はワンピースとともに、たくさんの旅をしてきたみたいだ。そう思うと、本当に遠いところまで来てしまったような気持ちになる。

どんな時も、どんな日も、寄り添ってくれたワンピースたち。気がついたら結構な大人になってしまったし、予想もしなかった未来に、今立ち会っている。

さあ、今日もお気に入りのワンピースを着て、どこへ行こう?

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