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夏が嫌いだった

夏が嫌いだった。
暑くて蒸し蒸ししていて、汗はかくし蝉はうるさいし、とにかく嫌な要素しかなかった。もともとインドアな性格なので海や山やバーベキューにも縁がない。ただ暑苦しくなるだけの季節は私にとって「早く過ぎ去ればいいのに」と思う他なかった。

ただ今年は何かが違う。
海にも山にもバーベキューにも相変わらず縁がないし行く予定もないけど、今年の夏はなんだかちょっと楽しい。

装いが変わったからかもしれない。

オールホワイトコーデ

黒が急に重く感じるようになって、着ることがなんだかできなくなってしまった。

ずっと黒を定番色にして着てきたのに、その「違和感」は突然訪れた。気が進まず手に取れず、暫く黒を着ない生活をしてみた。明るい色の新しいお洋服も迎え入れたりして、自分の気が向く方向へ、自身をアップデートするような気持ちでクローゼットの整理も行った。

気がつけば白やパステルカラーの、明るく軽やかなお洋服が多くなった。素材も柔らかなものを選び、纏った時の質感や雰囲気を重視するようになった。

こうなりたい・こう在りたいとは十分に考え試行錯誤した結果、今のスタイルに行き着いたのだけど。
自分でも予期せぬ方向へ向かっているなという気持ちと、より自分らしい自分、本来の自分へ戻っているなという気持ちと。両方存在するのが面白く、これから先の未来へ向けてわくわくしているのも事実である。

この夏は装いが変わった。
装いが変わったら、毎日がささやかながら楽しくなった。今日は何を着ようかな。このお洋服を着て、どこへ行こうかな。どこへ向かおうかな。



夏が嫌いだった。

それはもう過去のこと。
暑いのも蒸し蒸しするのも汗をかくのも蝉がうるさいのも変わらず嫌だけど。

本当に好きなファッションで過ごすなら、そんなに夏も悪くないかもしれない。なんなら夏の装いが楽しくて、うきうきしている自分がいる。キャミワンピやアミ模様のカーディガン、サンダルやミュール...。かごバッグも欲しいかも、なんて。

こんなに夏を心地よく過ごせている事実に驚きつつ、まだまだ私も変わっていけるんだな、なんて嬉しくなったりする。ファッションの魔法、おそるべし。

来年の夏は、もっと楽しくなるかもね。

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