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祖母の遺品を受け継いだ話。

久々の投稿。
この連休中に実家に帰省した際、祖母が生前愛用していた遺品を受け継いだ。最初に述べておくと、私の祖母は私が大学4年生に上がる直前の2月に、80歳で亡くなっている。

私はすでに実家を出ているのでその場にはいなかったけれど、母が折を見て祖母の遺品整理を行ったらしい。

祖母は元々教員として勤めていた。短大を卒業した後、定年を迎えるまで地元の中学校で国語を教えていた。そんな職業柄、祖母宅にはよそ行きの礼服などを含む衣類やアクセサリーが山ほどあった。10畳ほどの部屋の端から端まで並ぶほどだろう。

また祖母は書道家としても活動していた。もう使われていない祖母の部屋には、祖母が長年手掛けてきた作品の数々や、様々な長さや太さの筆(中にはこんなので字を書けるの?笑)というような形状のもの、何時ぞやの大会で授与されたと思われる表彰状たちが額縁に入った状態で壁に飾られている。

そんな祖母から小学校の夏、冬休みの度に直々に書道の手ほどきを受けていたことは、今振り返れば何物にも代えがたい恩恵を享受していたように思う。

一方の私はというと、小学生の頃は年齢に見合わず宝石の類やキラキラした光り物に目がなかった。勿論そんな子供が本物のジュエリーなど与えてもらえるはずもないので、母や祖母の目を盗んではジュエリーボックスを漁り、鏡の前で身に着けて遊ぶこともあった。

今回私が受け取ったのは、ネックレスやイヤリング、ブローチなどのアクセサリー。すでに廃業したジュエリーブランドの品物や、私には少々早いのだろうけど、式典用の装飾品もあった。


祖母から受け継いだイヤリング。

その1つが画像のイヤリング。こんなに立派にジュエリーボックスに入っているのでそれなりの値段はしそうなものだけれど、なんというブランドなのか、いつ購入したのかは知る由もない。それでも20代の私が身に着けるにしても特に違和感はない、可愛らしいデザインだと感じた。

昔祖母も手にしたであろうその1つ1つを手に取る度に、忘れていた祖母との思い出が蘇り、なんだか特別な思いで満たされていく。

ふと「大事に使いなさいね」と言われた気がした。

確かに祖母はもういなくなってしまったのだろう。ただ、その人生が「終わった」のではなく、かつて祖母が大切に使っていた品物を引き継ぐことで「関係性が新たに変化した」と考えることもできるんだな、と実感した。

遺品整理あるあるだろうけど、ごく稀に0の桁数おかしくない!?笑というような代物を発掘することもあるようだ。
まだまだおばあちゃんのような大人になれる日は程遠い。でも、今回いただいた装飾品の価値に劣らない、中身の伴った年の重ね方をしたいと思った。


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