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蝶ネクタイと黒縁メガネが似合う、一昔前の大阪のどこかにある漫才ホールのマイク前に立ってい…
初めて喫茶店で食べたナポリタンは優しかった。 太めのもちもち麺で、ほんのりケチャップ味、…
家を出る前日の朝。 おにぎりが食べたいと母に言った。 大きくて、まんまるで、しなしなのノリ…
キュービィロップはひと粒ずつ食べるか、ふた粒一緒に食べるか論争。 ちなみにキュービィロッ…
不完全な満月の日は甘さとキラキラで満たす。 いつだって満たされていたいもの。 それが女の…
朝方の新橋。 会社に向かってゆくかっこいい大勢のおじさんに圧倒されつつも、コーヒーの香り…
怪しくなってきた雲行きに、様子見がてら少し休むかとドアを開けた途端、雨粒がパラパラと落ちてきた。 誰もいない薄暗い空間。 私のためだけに流れているショパンと強まった雨音が溶け合って響いている。 陶酔してしまうようなとろりと漂う珈琲とバターの香りも、もちろん私だけのもの。 お願いショパン、もう少しだけ貴方を一人占めさせて?
蕩けるほどに甘く馨る貴方は、 てらてらとした極上に美しく、触れたら最後のほんのり切ない衣…
きゅんと甘酸っぱい檸檬色のクリームは とろりと溶け出してしまいそうで、 それを隠そうと覆…
うすく繊細な弧にそっと口づけて やさしくゆっくり傾けて。 濃厚な甘みと僅かな苦みが交わり…