まんまるおにぎり

家を出る前日の朝。
おにぎりが食べたいと母に言った。
大きくて、まんまるで、しなしなのノリがついていて、食べにくいけれど崩れるのはお構いなしにかぶりつくと塩加減がちょうどいい、母のおにぎり。
運動会の日のお昼ごはんやディズニーランドに行く日の朝の車の中で家族みんなで食べた。
形も結び加減も塩加減もどれも絶妙なバランスの究極のおにぎりを自分で結べるようになって、三角になんて出来ないわ〜本当に上手ね美味しいわって母はいつも褒めてくれるけれど、私にとっての1番のおにぎりはやっぱりこのまんまるのどでかい無骨なおにぎりなのだ。

頬張っている私の顔をにこにこしながら見守る母の顔の前では子供に戻ってしまう。
きっと明日の朝は、何も言わなくても作ってくれるんだろうな。私の大好きなツナと塩むすびを。

食べ終わったら行ってきますって笑顔で言おう。


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