私だけのショパン

怪しくなってきた雲行きに、様子見がてら少し休むかとドアを開けた途端、雨粒がパラパラと落ちてきた。

誰もいない薄暗い空間。

私のためだけに流れているショパンと強まった雨音が溶け合って響いている。

陶酔してしまうようなとろりと漂う珈琲とバターの香りも、もちろん私だけのもの。

お願いショパン、もう少しだけ貴方を一人占めさせて?



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