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近所の人たち

ある日の夜、近所のコンビニに母と行った。

私は商品棚を見ていたが、母はずっと違う方を見ていたので、何があったのか同じ方向を見てみると…

なぜか店長さんがアミを持って、天井に向かって振り回していた。

よく見ると、大きくてすばしっこい虫が天井にいる。それを取ろうとしているのかと理解できた。

店長さんは器用にアミを振って、簡単に虫を捕まえた。すぐにドアへ向かった。

母と「店長さん上手いな(笑)」と思わず称えていた。

そのあと、商品をさっさと決めレジに向かう。今日のレジは店長の奥様が担当だ。

母がレジに来てすぐ「ああいう虫、よく入りますか?」と尋ねる。「はいりますよ~。もうだから、そこにアミ置きっぱなしなんですよ(笑)」「ほんとや!(笑)」と談笑。

虫が建物の中に入るなんてこの田舎では日常でしかない。そこじゃなくて、「近所同士の関係性」ってやっぱりいいものだよなぁ、と思った。

このコンビニを経営するご夫婦とはもちろん顔なじみだ。コンビニだけじゃない。近くの郵便局も、窓口の人とは顔なじみで、局長さんは父と同級生らしい。近所の美容室を経営しているご主人も父と同級生。

別にわざわざ会って食事へ行くような親密な関係ではないけれど、なんとなく、それを実感するとき、いいところで育ったなと嬉しく思える。

もちろん、不便な点や噂好きのおばちゃん等、すべてが良い!とは言えないけどね。

そういうことを考えると、当たり前のようにこの田舎から出ようと思っていた自分の気持ちが揺らぐ。

今出ていけと言われているわけではない。けれど、ちゃんと独立しなきゃという気持ちは強くある。今は経済的に全然無理だけど。

いろんな家庭がある。私の家は父の自営業で今は成り立っているから、それを手伝ったりすることなら出ていかない方がいいのか、といいつつ「独立せえ!」と父に冗談交じりで言われる。

ちょっと文章が上手くまとまらない。ただ、私は育ってきたこの田舎が好きである。めちゃくちゃ不便だけど。

理由は、ちょっとした交流がほんの少しだけ芽生えているところなのかもしれない。

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