土と雑草 ジョセフ-A-コカヌア著
私は、百姓を生業にしている。
畑と向き合う中で、どうしても、無視できないもの。
それが、雑草だ。
雑草にどのようなイメージを持っているだろうか?
余計なもの
しつこいもの
植物の栄養を吸い取ってしまう。
僕のばあちゃんも60年ぐらい農業をやっているが、この雑草を目の敵にする。
果たして、雑草は、本当に害しかないのか?
その問いを、解消してくれるのが、この本。
随分と古い本だ。
昭和63年に刊行されているから、今から32年前に出版された本だ。
ここに書かれていることはどれも参考になった。
筆者は、雑草が生えているとうもろこし畑の方が、収量が多かった経験から、雑草の研究を始める。
雑草が、土の物理性にどのように影響を及ぼすのか。
この本を通して、かなり理解度が深まった。
また、面白いのが、筆者が世界各国を回って、伝統的な農業を研究していた点だ。
そこではインディアンの農業の事例や古代ローマの事例も出てくる。
ローマの農聖マルクス・カトーによれば、「粗大な材料は直接土に施してはいけない。まず肥料溜めで処理するのが原則である。しかしその作業ができない時は、土に入れる前に切断し、しおれさせねばならない。農家自身がやるべきことを土に要求するのは不自然であろう。土の役割は植物に栄養を与えることである。その土に余分の仕事をさせれば、機能が発揮できない関係にあることを忘れてはならない」と言っている。
インディアンの農業について、これまで考えたことなかったので、すごく視野が広がった。確かに、彼らは、ものすごく自然に対して忠実に生きてたので、ものすごく高い農業技術を持っていたはずだ。
インディアンたちは畑に生えている雑草を食べていたという。
食べ物としての雑草は畑の方が優れている。作物の場合、育てる過程で心して手をかけるほど味が良い。それと同じように、畑の土で育った雑草の生長は早く、柔らかな茎や葉に育つが、野生の雑草は、少し生長するとたちまち硬くなってしまう。
これまで、悪者と扱われていた雑草に対して、この本を読むとものすごく価値観が変わる。
30年以上前に書かれた本だけど、すごく参考になった。
もっともっと勉強して、そして、自分の畑でそれを実践していきたい。
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いつもありがとうございます!まだまだ未熟者ですが、コツコツやっていきたいと思います!