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道くさ食って、生きてきた(WEB版)

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初エッセイ本「道くさ食って、生きてきた」に収録されているエッセイ集です。本用に編集していない当時の書いたままのエッセイ12本をお楽しみいただけます。本に収録されている書き下ろし3… もっと読む
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本名を捨てることにした

今年の9月に、私はフリーランスになった。仕事内容は、文章の執筆や編集、企画など。 独立したての未熟者。仕事について語るなんて、まだまだはやい。(と勝手に思っている)だからしばらくは、今までの人生や個人的な考えについて書いていこうと思う。今回は、独立前に仕事の名前をつくった話。

何者にもなれなくて苦しかった

「文章で生きていきたい」 迷いなくそう思うようになったのは、今年の春ごろだったように思う。それまでの私はというと、何者になりたいかが自分でも分からず、ずっと苦しんでいた。

理想と現実の狭間で生きづらさを覚える

学生の頃から、「あ〜、生きづらいな」と思うことがある。そしてその回数は、年々減ってきてはいるものの、今でも継続していたりする。 別に、相手の感情が読めないとか、人と話すのが怖いとか、そういうわけじゃない。でも生きていてふと、人間でいることがしんどくなる瞬間がある。

書店員になりたかった想いをこじらせて

「私、大学生になったら本屋さんで働きたいんですよ」 高校を卒業した次の日、明日からは校則なんて関係ないからと友人とふたりで、美容室に髪を染めに行った。大学生を前にワクワクする私たちに、美容師さんはたくさん話しかけてくれた記憶があるが、何を話したかは覚えていない。ただ、「バイトは何をしたいの?」という問いかけに、「本屋で働きたい!」と力強く答えたことだけは覚えている。

渡り鳥はちょっぴり貧乏

私は、ひとつの場所にずっと留まり続けることができない。 大学生のときは、憧れて入ったサークルを1年で辞め、その後はファッションショーの広報やらフリーペーパーの制作やら、やりたいことをやりながら、卒業までのらりくらり過ごしていたし、社会人になってからは、新卒で入った安定した会社を3年で辞め、人間関係に恵まれた転職先を2年で辞め、しまいには不安定なフリーランスの道を選んだ。 こんなふうに転々としてきたのは、居心地が悪かったとか、組織で働きたくないとか、そんな後ろ向きな理由から

断捨離と生まれ変わり

小説家・羽田圭介さんの「滅私」を読んでみた。「読もう」と思った理由はふたつある。「ミニマリスト」がテーマの小説が珍しく、展開が気になったというのと、自分も物を捨てたい衝動に駆られることがたまにあり、その理由や目的を知りたいと感じたからだ。

「柴田 れな」だった

先週、活動名を「柴田 れな」から「しばた れいな」にもどすことを報告した。たった、6か月間だったけど、私は「柴田 れな」だった。

未完全な私にはエッセイが必要だ

昨日、縁あって下記のイベントに参加してきた。

本屋を美術館だと思っている

私は物心がついた頃から、文房具屋とか服屋よりも、本屋が好きだ。 正確に言うと、全部好きではあるが、文房具屋や服屋は「ペンのインクが切れたから買いに行こう」「秋物がないから見に行こう」みたいに、必要性に駆られて足を踏み入れることが多いのに対して、本屋は何の目的がなくてもスーッと吸い込まれてしまう。

小さなタイムカプセル

4年前の夏、秋葉原の中古カメラ屋さんでフィルムカメラを購入した。PENTAX ASAHIという、見た目がレトロなフィルムカメラ。どれを買えばいいか分からない私に、店員さんが勧めてくれたものだ。一目でそのフォルムが気に入った私は、特に悩むことなく「それをください」と言っていた。

会いたい人の写真は撮っておくといい

先週、「小さなタイムカプセル」でも書いたとおり、私は普段からフィルムカメラで写真を撮っている。

日が沈むまで眠りたい

「眠るのが好き」と言うと、つまらない人間だと思われるかもしれないけれど、私は眠るのが好きだ。 安物のマットレスに、ニトリの布団。ちょっとへたった枕に、無印のパジャマ。平凡でチープな私の睡眠生活。 それでも私は、このひとときに、とてつもない幸福を感じている。寝て起きたら夕方だったときも「1日を無駄にした」なんて思わない。むしろそれは、私にとっては最高な過ごし方ですらある。