オホーツクのアナウンサーの日記(2024年7月20日)

7月20日(土) 晴れ
夏祭りに合わせて実家に家族が帰省している(厳密に言えば私も帰省だが、用事があるたびにしょっちゅう帰っているため、もはやその感覚がない)。大人だけでいるときに比べてなにかと都合が変わる。とにかく疑問を投げかけたがる年頃の人とある程度の時間を過ごしていると、あっという間にでかける時間ギリギリになっていた。慌てながら出発し、年に一度の物産展を物色し、予想どおり予想の1.5倍の金額になって内心おかしみを感じながら仕事へ向かった。

きょうはきのうからの累計で少なくともプラス10,000ポイントはあったと思うから、やっとスタートラインには立ててはいた。さらにプラス60ポイントくらいはあった、ことにしたい。

夕陽が沈み、残照のもと、祭りが始まった。そのうち、見事にまんまるな月が出てきて、出陣を見送っていた。
みんな出ていって、私は建物の高いところから街を眺めた。建物の間を縫うように、山車の光が赤く差していた。月は半分くらい雲に隠れていた。

祭りの終わりを惜しむ人々が、時間の許す限り囃子を続ける光景。私はもはやこの瞬間に立ち会わなければこの祭りが締まった気にならないとさえ感じるようになってきている。
これを目の当たりにしたことがない人はもったいないことをしているよなあと思いつつ、あまり広く知れ渡ってほしくないような気持ちもある。ちょっと複雑。

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北海道の東側、道東のオホーツク海側でアナウンサーをしている、伊藤ゆりかです。東京の50分の1の人数が、東京の5倍の面積に住んでいるという「隣人までの距離が遠い」この地域で、「あなたの隣のアナウンサー」を名乗って生きています。

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