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木を見て森を見て ~特別なことはできない~

 前回までは営業のお話をしました。

 今回は数字(売上げ)のお話。個人の話から組織の話へ展開します。

特別なことはできない

宝くじは当たらない

 この支配からの卒業。誰もが夢見ることです。そのためには先立つものが必要。FIREなんて生き方も注目されていますが、それにもまずはある程度の資産が必要です。もっと早く言ってほしかった、、、なんて今から言っても仕方ありません。
 そこで登場するのが宝くじ。一発逆転!当たったら何しようかしら。ワクワク。
 ですが宝くじは当たりません。当たる人がいないと言っているわけではありません。1等の当選確率は1/2000万。そこに人生をかけるわけにはいかないと言っています。

当たり前のことをやるだけ

 ではどうするか?

 貯金と投資ですw

 当たり前ですね。何をいまさら。ではその計画はどうでしょう?誰もがやっているでしょうか?

 少し計算してみましょう。計画は「月に1万円貯める」です。20歳から始めた場合
・20歳でスタート(0円)
・21歳で12万円
・31歳で120万円
・41歳で240万円
簡単ですね。

 では41歳で貯金240万円と聞いてどう思いますか?え!?やばない?と思いましたか?
 ですが、金融広報中央委員会が実施した「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和元年)」によると、2019年度における40代単身者の平均貯金額は255万円だそうです。
 さらに「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」によると、2019年度における40代で二人以上が住む世帯の平均貯金額は293万円です。先述の金額とほぼ同額ですね。

 ただし、40代単身者の約6割が株式や投資信託、生命保険など他の金融資産を保有しており、それらをあわせると単身者は平均で564万円、二人以上世帯だと平均694万円となります。皆さんはいかがでしょうか。
 ちなみに平均値ではなく、中央値も調べてみると単身375万円、二人以上世帯550万円という記事もありました。

 ここでは株式や証券などの資産運用を取り上げてみましょう。例えば利回り3%で資産を運用した場合(利益を取らずに運用に回した(年複利)の場合)

・20歳でスタート(0円)
・21歳で12.1万円
・31歳で146万円
・41歳で306万円

 単に貯めておくよりも20年後に66万ほど多く資産が形成できます。ちなみに同じ条件で月の貯金額が3万円だった場合、貯金額が720万円に対して運用資産は約919万円とその差は200万円弱です(3倍よりは上振れですね)(様々な条件や税金、手数料もありますので、あくまで計算上ということをご理解ください)

興味のある方はこちらを活用

木も見るし、森も見る

 つまり貯金だけでなく投資も必要というわけです。投資は知識と長い目で見る必要があるわけです。41歳で資産が900万円あれば60歳までに2000万円は行けそうです(汗)
 このように日々の事(木)と長期的な事(森)または一人の社員(木)と組織(森)を両方見る意識がとても重要だということが分かったのではないでしょうか。

勘違いしていない?「損して得を取る」

 損して得を取るという言葉を勘違いして「損すれば得がある」と思っている人がいます。損は損です。得があるかどうかはその損が投資(お金、時間、精神)になっているかどうか。つまり今一瞬の損という木が育って森になるかということが考えられないと、いつまでも損することになります。

 特に搾取する側の人間は搾取される側の人間の事をよく知っています。そしてそれは決してその人の気が弱いとかおとなしいということではなく、調子に乗らされているということがあるということを知っておいてください。

 孫悟空が筋斗雲で飛び回り、調子に乗って壁に落書きしたらそれが実はお釈迦様の手だったという話と同じです。あなたは大丈夫ですか?と聞かれて「私は大丈夫」と思っている人ほど危ないと思えるぐらいがちょうどいいと思っておいてください。

マグロは止まれない

 となると如何に1円でも多く稼いで更に運用に回せるかということが大切になってきます。当たり前だけど分かってない人が多いです。分かっていない部分は「1円多く稼ぐ」についてです。

 答えを簡単に言うとスキルアップです。スキルアップは技術だけでなく人や組織、関係性など自分に関わるすべての事を指します。

 この可能性の事を「確度」と呼んだりします。この案件は確度が高いとか確度Aの案件ですとか。

種を蒔く

 スキルアップして確度を上げたとしても、仕事がなければ意味がありません。ですので種まきをしておく必要があります。気付きましたか?これらはすべて同時にやらなければ意味がありません。
 定期的に種を蒔きながら合間でスキルアップする。これってある言葉を表していると思いませんか?

晴耕雨読

 そうです。晴れた日は種を蒔き、雨の日はスキルアップです。晴耕雨休ではないのです。止まってはいけません。休んでる場合ではありません。その時々に合わせ、歩みを止めてはいけないのです。

 これはがむしゃらに働けという意味ではありません。心や体を壊してまですべきことはこの世にはありません。そうではなくて、休みだから仕事はしない。仕事だから遊ばないが違います。晴れているのに本を読み、雨が降っているのに種を蒔いてもダメでしょと言っています。

 もっと言えば何をするかは自分で決めるものではない。自分が置かれている状況において何をすべきかを感じ取れるスキルを身に付けよということです。

正解は出ない

 現実世界はゲームのように、イベントをクリアしたから門が開くということはありません。あるボタンを押したら正解の音が鳴るなんて単純な世界ではないのです。
 ですが、人間には生まれながらにこれを感じ取る能力が備わっていると思っています。過去を振り返ったとき、あの時こうしておけばよかったという後悔と同じようにあの時こうしておいてよかったと思うこともあるはずです。例えばグラスを落として割ってしまったとき、その少し前にもしかしたら落としそうだなと思いませんでしたか?

 この感覚の事を分かりやすくするために「選択」と言いましょう。あなたはある「選択」をしました。それによって何かしらの門が開いています。ですがその時(木)には気がつきません。しばらくして(森)開いた門に向き合い「ああ、あの時の選択がこの門を開いたんだ」と気付くかどうかが大切です。
 これに気が付くために重要なことは、どのような選択であったとしても最終的には「自分で選択した」という責任を自覚すること。誰かのせいにしたり、何かのせいにしたりしていてはいつまでもこの因果律に気付くことはできません。

伸びる人伸びない人

 先ほどの話からも分かるように、結果(特に失敗)を何かのせいにしている人はいつまでも伸びません。全ての選択は全て自分が決めたことと覚悟し理解している人は成長が期待できます。

 ただしこれは必要条件であって十分条件ではないことに注意してください。それができているからって必ず成長するということはありません。

 今という選択。そしてその先にある結果。これらを見据えて人間力を磨き、アンテナを張りめぐらし、選択を重ねる。これが会社を運営していくうえで必要なモノのミカタなのではないかと思います。

具体例のコーナー

 さあ、お待ちかね具体例のコーナーです。

 経営者は仕事(サービス)を提供する側の人。これを反転して自分がサービスを受ける側(お客様側)で考えてみましょう。

 あなたの家から同じぐらいの距離に3店舗の回転ずし屋さんがあったとします。価格や味は大きく変わらないとします。どの店に行きますか?

店舗A
・接客:普通
・イベント:大マグロフェア
・駐車場:狭い

店舗B
・接客:ロボット
・イベント:マグロ、サーモン、3カン祭り
・駐車場:広い

店舗C
・接客:悪い
・イベント:今だけ限定の自信作(マグロもあるよ)
・駐車場:普通

 これだけでは決められませんよね。そうなんです。商売に「これがあれば売れる」なんてものはないのです。では何で決まるのか。
 例えばこれが以下のシチュエーションだったらどうでしょう。
・家族でお祝い
・彼女とのデート
・たまには夫婦水入らずで昼食
・足腰が弱くなった母を連れて
・孤独のグルメのように一人で昼食
選択は変わりませんか?

 お客様に対してどのようなサービスを提供するかということは木や森をみて、相手にとって必要なものでなければ売れないということです。

 つまり自分が「これしかできません」が成立するのは、
・需要があること
・自分にしかできない特異な技術であること
・それを買ってくれる相手がいること
・その相手と契約ができること
この時だけです。

 それ以外の場合、カメレオンのようにその場で柔軟に対応できるスキルが必要です。そのためには普段からカメレオンになる練習をし、自分が何色になれて何色になれないかを知っておかなければいけません。そしてそのなれない色になることをスキルアップと言います。

 できないことはもちろんあります。嘘をついて「できる!」と言う必要はありません。費用が合わない、期間が合わない、スキルが合わない、様々な条件があるのであれば、どのような条件であればできると言えばよいのです。

 普段から「自分はこういう人間だ」と考えている人は「木」ばかりを見ている人です。とてももったいない。人間は何にでもなれるんです。時にはピエロになってみんなから笑われたりもする。でも時々いいことも言う。そんな人=「森」って魅力的じゃないですか?

なぜそんなことをしなければいけないか?

 現在(イマ)は「木」だけど未来は「森」だからです。

さて、今回のお話はいかがでしたでしょうか。この内容はインターネットラジオ stand.fm にて2022年5月27日に配信予定です。時間は朝10時から。皆様のご意見ご感想をレターやコメントでお寄せ下さい。

次回はその7「結果が全て 雷鳴の中の愛」をお送りします。


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