yamada_soichi

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最近の記事

備忘録としての「コレカラカフェ」(2013年4月22日)

その案内はfacebookに突然現れました。 「スゴイ人たちが岩手にいるから、一人で聞くのはもったいない。みんなで聞こうよ」。 知人の佐々木伸一さん(当時あさ開)を通じてシェアされた記事を見て、ためらうことなく「行きます!」といい、 「近所だし、せっかくならば6回とも顔を出そう。何か刺激を受けるだろう」 と踏んでました。実は佐々木さん以外、岩手に住んでいながら存じ上げない方ばかりだった(失礼!)のですが、ならば彼ら彼女らの人となりを知ろう。そうすれば、何かいいことがあ

    • 名取北「好きにならずにはいられない」(2012年12月22日・秋田市文化会館)

       屋根の上を思わせる骨組みのセット、仙台・大年寺山を思わせるシルエット。60's~80'sにかかった古めのBGM。無茶なことを言って相手と観客を混乱させる台詞。かつて藤田傳(劇団1980)が宮城県大会で言った講評 「本当のことを伝えるよりも、嘘を突き通すことができるのが、実は素晴らしい舞台」 という教えを守り、その世界観にどっぷりと浸っていた。そのまま夢のような時間が過ぎていくと油断していた。  「好きにならずにはいられない」(役者が原語で歌うんだ)、「アップタウンガール」

      • 名取北「鼻と糸トンボ」(2013年12月22日・仙台市広瀬文化センター)

         2013年に名取北高演劇部の上演を5回見ました(盛岡・名取・長崎・大河原・仙台)。去年の秋田から夏の長崎までの変化と、今回の大河原から仙台の変化を見たとき、後者の方が大きく、かつ安保先生と部員たちががっちりかみあった感じが伝わってきました。  大河原の地区大会で見たとき(「鼻と糸トンボ」というタイトルは直前に決まったと聞きました)よりも「鼻=優」「糸トンボ=今野君」という図がはっきりして、わかりやすくなりました。役者は去年の「好きにならずにはいられない」の型を踏まえつつ1

        • 舞台から見える日常~いわき総合高校演劇部自主公演「ちいさなセカイ」(2015年2月28日・いわき芸術文化交流館アリオス小劇場)

          舞台奥に白いスクリーンがあり、さまざまな色のTシャツが万国旗のようにつり下げられている。正面には斜めに机が配置されている教室、下手奥には運転座席と助手席の座席が一段高く置かれ、上手奥も一段高くカラオケBoxがあるような部屋。下手前方・上手前方にもそれぞれ演技する空間が確保されていて、33名いる高校生たちの機微を見分けることができる。話の軸は6年ぶりに開催される文化祭の出し物をどうするか進んで行くが、そこから7つの「ちいさなセカイ」が見える。 10数名の生徒が教室に出て、文化

        備忘録としての「コレカラカフェ」(2013年4月22日)

        • 名取北「好きにならずにはいられない」(2012年12月22日・秋田市文化会館)

        • 名取北「鼻と糸トンボ」(2013年12月22日・仙台市広瀬文化センター)

        • 舞台から見える日常~いわき総合高校演劇部自主公演「ちいさなセカイ」(2015年2月28日・いわき芸術文化交流館アリオス小劇場)

          そして彼女らは次の一歩を踏み出した~いわき総合高校『CUQP』(2016年2月19日・いわきアリオス小劇場)

           「『ちいさなセカイ』で何を訴えたかったんですか?」  「私たちが過ごしている学校や身の回りのできごとを、エチュードなどの方法を使って表現しました。たまたま私たちが遭遇した東日本大震災は、いろいろと聞かれるんですけど、震災のこととか原発事故のこととかそれだけを訴えたいわけじゃなくて、私たちの身の回りで起きたことの一部で、悩むことは他の地域に住む高校生と一緒なんです」。  2015年、滋賀県彦根市で行われた「びわこ総文演劇部門(第61回全国高等学校演劇大会・全国大会)」生徒

          そして彼女らは次の一歩を踏み出した~いわき総合高校『CUQP』(2016年2月19日・いわきアリオス小劇場)

          いわき総合高校演劇部「北校舎、はっぴーせっと」(2013/2/3 いわきアリオス小劇場)

          東日本大震災前とその後、両方の「北校舎」を知っているのが3年生で、それを実際に表現できるのは実は彼女たちしかいない。取り壊されるいわき総合高校の北校舎とどう向き合って、どう区切りをつけるかという舞台である。 軸になる4人が舞台上を駆け抜ける。 「地球が太陽の周りを1周と4分の1回って」 と言いながら。 同じフレーズが何度も繰り返され、追い切れないほど疾走を続ける彼女たち、彼らを観客は追う。 なぜ狭い空間を、同じように何度も何度も走るのか。 その空間でのぶつかり合い

          いわき総合高校演劇部「北校舎、はっぴーせっと」(2013/2/3 いわきアリオス小劇場)

          【備忘録】コミュニケーション能力の育成について

          ★コミュニケーション能力の育成 平成29年度 高等学校教諭授業力向上研修講座「教科・領域」 講義・演習 「コミュニケーション能力の育成」 東京藝術大学COI研究推進機構特任教授 平田オリザ 序 自己紹介  大阪大学で「科学者にコミュニケーション能力をつけさせるための教育」を担当する。 ■青年団公式ホームページによる紹介   http://www.seinendan.org/hirata-oriza Ⅰ ワークショップ ■ワークショップ1(

          【備忘録】コミュニケーション能力の育成について

          複雑な解釈のその先。

          2013年7月23日の朝日新聞(13版)「2013参院選『複雑な解釈』」に内田樹(神戸女学院大学名誉教授=当時。現凱風館主宰)が寄稿している。 http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201307220692.html (筆者注・2021年現在リンク切れ) (前略)では、なぜ日本人はそのような統一性の高い組織体に魅力を感じるようになったのか。それは人々が「スピード」と「効率」と「コストパフォーマンス」を政治に過剰に求めるようになった

          複雑な解釈のその先。

          舞台『幕が上がる』初日(※注意・作品についてネタバレがあります)

          3年前の全国高等学校総合文化祭演劇部門(とやま総文)で平田オリザ(青年団主宰)から「実は高校演劇界にとって、シークレットなんですけど大きなイベントがあって」という話があり、 (なんだろう、それは) とずっと考えていたのですが、1年前の春季全国高等学校演劇研究大会(春フェス=岩手)、全国大会(いばらき総文)で映画『幕が上がる』の取材があり、実はももいろクローバーZ(ももクロ)を巻き込んだ大がかりなものだったこと。映画監督の本広克行が、やがて舞台の演出をするところまで、文字通

          舞台『幕が上がる』初日(※注意・作品についてネタバレがあります)