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PUCを出すには:精神面からのアプローチ

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 お久しぶりです。うっでぃです。お久しぶりですか…?


 連日ボルテばかりやっている…いや、脚色してしまいました。ボルテしかやっていないので、今回もまたボルテのことを書いていきます。

 テーマとしては、「PUCを出すには」というものを掲げました。
 随分とまぁデケェ口叩いたな感の否めないテーマですが、一応僕も毎日最低1曲はPUCを出すという生活を続けてきた身ですので(https://note.com/i_sing_o_jiya/n/n246057b2482c 参照)、技術的に狙いうる範囲の譜面ならば、出す気でやれば出せるぐらいには出す能力はあるといえるでしょう。

 とはいうものの、「技術的に狙いうる範囲の譜面ならば」と書いている通り、技術的にまだ狙えない譜面を狙えるようにするための方法は僕も持ち合わせていません(各自で頑張ってください、僕も頑張ってますので)。
 よって今回は、「出来ないところはないけれどメンタルが弱くてPUCが出せない」という悩みを持つ人たちのために、PUC狙いの間に持つべき精神について語っていきたいと思っております。


 それでは、よろしくお願いいたします。


そもそも本当に狙えるのか?

 例によって身も蓋も無い話から始めてしまいますが、本当にPUC狙いをする土俵に立てているかどうかという点は、セルフチェックする必要があります。

 個人的には、以下の条件を全て満たしていなければ、土俵に立てていないと見なすべきであると考えます。

  • 「光ったことがない・繋がったことがない箇所」が一つもない

  • 集中すれば998〜999程度のスコアが出せる

  • 密度の低い箇所(※テンポが揺れていたりしない常識的なリズムの場合)でニアが出ることはきわめて稀である

 上記3点を満たしていれば、まぁひとまずは土俵に立てていると考えていいでしょう。

 実際にはもっと細かい条件もあります(「難所」と感じる箇所があまりにも多かったらダメとか)が、出す見込みがあるかどうかは各人で判断していただければと思います。

 これらを満たしていることを前提にして、PUCペースに負けないメンタルの保ち方についてお話ししていきたいと思います。


難所を洗い出しておく

 以前、jubeatに関する記事で述べたことについてそれなりに反響があったのですが、理論値狙いをよくするゲームが上手い人は総じて「出来ない場所を洗い出すようにプレー」しています

(※ この記事の目次で言うところの「②出来ないところを無くしている」のことを指して言っています。)

 たとえば「ここでよくニアが出る」とか、「この配置を忘れてしまいやすい」とか、「ここの直角が反応してくれないことがよくある」とかいう風に、プレー回数に比例して出来なかった経験が蓄積されていきます。
 そして、その「出来なかった経験」を「出来るようになった経験」で上書きしていくのが効率の良いスコア上げの方法になるわけですが、これを経て最後まで残った部分を「理論値の難所」と考えるのが、上級者が普段からやっていることです。

 ちなみに、ここで言う「出来ない」というのは、「まるっきり手や指が追いつかない」みたいなケースを指しません。あくまでも「ニアが出やすい」とか「繋がりにくい(繋がれば光る)」とかいった状態を想定しています。
 というのも、「まるっきり手や指が追いつかない」となれば、先述した「PUC狙いの土俵に立てていない」状態であると言わざるを得ないためです。
 まずは技術的に追いついている状態となっている譜面について、PUC狙いの対象としましょう。


 この「難所を洗い出す」という手法の何が良いかというと、次のような利点があります。

  • 集中力の使い所がはっきりする

  • 難所ごとにフェーズとして切り分けることができ、各所の勝率が明らかになるので対策を講じやすくなる

 まぁ要するに、「約2分間通しで集中すると疲れるから、ほどほどに集中するところとガッツリ集中するところを分けられるようにしよう」という話ですね。
 個人的な難所をちゃんと洗い出せていないと、PUCペースで進んでいる時も「何となくここでニアが出るんじゃないか」とビクビクして余計な緊張をし続けることになってしまいます
 初見でPUCを出すのが難しいのはこの辺りに起因しているように思います。


変な所でPUCペースが途切れたと感じたら

 難所を洗い出し、その難所を切り抜けられるかどうかを基準にPUC狙いをしていると、時々自分が難所と思っていないところで急にPUCペースを切らされることがあります。この事象は実のところ結構起こります。

 こういうことがあった場合は、深く考えないことにしてとりあえずもう一回やってみて、それでもダメだった場合は、出た場所をよくよく思い返してみます。余裕があれば譜面保管所で見てみるなり、動画を見てみるなりして内容を確認しましょう。

 それというのも、「これまで何となくで出来ていたけれど実は譜面の認識が間違っていた」とか「何となくでごまかせていただけで苦手な動きだった」とかいったパターンであることが往々にしてあるためです。

 そうなると、洗い出し終わったはずの難所にもう一つ追加する必要が出てくるかもしれません。


 ちなみに、「見直してみたけれど、結局難所ではなかった」という場合でも、個人的にはそこが問題なく光る・繋がるかどうかをいったん確かめることをおすすめします。
 なぜかといえば(これは本当に自分の経験則でしかありませんが)、無意識のもとで覚え込んだ動作は自分の想像以上に同じ動きをすることができ、もう一度無意識で(何となくで)その箇所を認識して叩こうとすると同様の結果になる可能性が大いにあるためです。

 「出来なかった経験を出来た経験で上書きする」という目的のもと、何となく出来なかったところも確実に出来る状態を保つようにしましょう。


「譜面」よりも「事実」を覚えておく

 さて、上記はPUCを狙う姿勢についてというか、PUC狙いのプレースタイルに関するお話でした。
 ここからはPUC狙い中のメンタルの保ち方についてです。

 PUC狙いとは基本的に緊張との戦いであり、失敗を恐れる心との戦いなので、曲の終わりに向かえば向かうほどベストコンディションではあれなくなってきます。
 そうした状況下で、出来る限り平常時と近いプレイングをするために何を考えるべきか?どう向き合うべきか?そういったことを述べていきたいと思っております。


 まず見出しにある「「譜面」よりも「事実」を覚えておく」とは何ぞやという話なんですが、説明より先に実例を挙げるのが早そうなので、以下画像を見ていただくとします。

WARNING×WARNING×WARNING[MXM]

 これはWARNING×WARNING×WARNING[MXM]の81,82小節目に出てくる譜面の画像です。
 曲全体が92小節なので、81小節目ともなれば結構な終盤です。しかも、一見すると複雑な見た目をしているので、筐体前でのプレーのみで完璧に見切って繋げるとなるとなかなかハードルが高いように思います。PUC狙いにおける「難所」と考えて良いでしょう。

 この箇所の攻略法としては、直角の方向を見れば分かる通り、81小節目は曲線の方向と同じ方向に、82小節目は曲線の方向と対称に回せば繋がります
 ……というのが分かってなるほど!となったところで、PUCペースのままこの箇所に辿り着くとどうなるでしょう?
 緊張で頭は真っ白になり、次の譜面がどんなものだったかを思い出すので精一杯になり、認識が遅れて操作も遅まったり、むしろ焦って早まったり……。
 ましてやこんなに「いきなり来たら見切るのが難しい」譜面が緊張の真っ只中に降ってきたら、大抵は訳も分からなくなり全然合っていない方向につまみを回してしまいそうです。あろうことか見切れないと判断するや否やハイエナ(※高速でつまみを震わせて入力判定の猶予内に時計・反時計両方向の入力を入れる行為。つまみは繋がりますがズルなので印象が悪いがちです)し始める人すらいそうです。


 このような「見た目にはややこしいが一定の規則性がある」「準備さえ出来れば通すことができる」と言える難所には、見出しの手法が有効であると考えています。
 つまり、「画像のような譜面が来る」という風に覚えておくよりも、「一回目は曲線と同じ方向に、二回目は曲線と対称方向に8分で回す」という事実を覚える、ひいては「先に曲線と同じ方向の回し方のほうが来る」という事実を覚えておく方が、テンパった時の心構えとして簡潔で引き出しやすいのではないか、ということです。


 この「どちらが先に来る」とか「どういう順序で来る」という覚え方については、自分の経験の中においてもかなり役立った節があり、心構えが必要な難所ほどその意識を忘れないようにしています。

 何故僕がこのやり方を推しているかといえば、以下のような理由に集約されます。

  • 「認識」と「操作」のサイクルを崩さなくて済むから

  • 記憶に割かれるリソースが少なくて済むから

 「認識」と「操作」のサイクルというのはつまり、僕の考えるところの「地力」(=現れたノーツを視覚的に捉えることとノーツに対する的確な動作を行うことを同時並行で処理し続ける能力)が発揮されている状態のことです。

 「現れたノーツを視覚的に捉えることとノーツに対する的確な動作を行うことを同時並行で処理し続ける」ためには、両輪の片側になる「視覚的に捉える」ことを疎かにしてはいけません
 となると、「こういう譜面が来る」と視覚的に記憶してそれに頼ることは悪手であると言わざるを得ません。
 よって、あくまでその場のプレーで譜面を見ることは疎かにせず、難所に対する準備は出来るような、動作のトリガーを簡潔に覚えておくというやり方がベストであると考えます。

 また、「記憶に割かれるリソース」というのについては、つまるところ画像で覚えるよりもテキストで覚える方がファイルサイズが小さくて済みますよねということです(何の話?)
 PUC狙いをするにあたっては意識することは少なければ少ないほど良く、なるべく先に述べた「地力」のみでPUCが出せることが望ましいです。
 各難所への対処法などを記憶した状態でそれ以外の部分を走るうえに、難所に差し掛かるたびに記憶を引き出すとなると、精神的な摩耗もあいまって相当量の体力を持っていかれます。おそらく脳の。
 そのため、記憶として持っておくものは出来る限り軽くするべきで、それには一瞬で思い出せる「事実」だけにとどめるのが良いだろう、ということです。


最後の難所を抜けたら「普段通り」を思い出す

 それぞれの難所の攻略について目処が立ったら、あとは全ての難所を抜けられるまで試行回数を積み上げるばかりです。もちろん、各箇所の勝率から考えて分が悪いなら一度撤退することも視野に入れましょう。

 さて……、全ての難所を抜けることができ、ついにPUCが出る……!と思った矢先。
 思わぬところでしくじってPUCを逃した経験は上級者の誰しもが経験していることです。

 俗に「チキる」という言い方をしたりしますが(「チキン=臆病者」の意から)、理論値が出そうな状況に対する臆病な態度が災いして何でもない箇所でミスを犯すことは、本当に理論値狙いには付き物です。


 これを克服するためのアドバイスは本当にただ一つ。

 落ち着きましょう。

 普段通りにやれば、もう難所は無いのです。ゴールが目前に迫っているからと言って、いつも以上に力んだり、見る場所を変えたり、PUCしたらどんなツイートをするか考えたりしてはいけません。
 その「普段通り」を崩す全ての要素が、あなたのPUCを阻む敵です。ただただ、普段通りにやりましょう。

 気を付けなければいけないのは、発揮すべき「普段通り」を持ち合わせている必要があるので、いつもPフリーでばかりプレーして後半の譜面の記憶がおぼろげだったり、難所を抜けたら流してプレーしたり、捨てたりするような人はこれにおいて非常に苦労するだろうということです。
 定期的に通しでプレーして、難所を抜けた後に気を抜かないようなマインドを作っておくことが大事であると思います。


おまけ: Pフリーの使い方

 以上に書いたことを踏まえると、Pフリー(ボルテ筐体上の公式名称は「プレミアムタイム」ですが、こちらの方が慣習的で馴染み深い呼称なので、これでいいですよね)の使い方についても一考の余地がありそうです。

 僕が推奨するPフリーの使い方は以下の通りです。

  • チャレンジ(未達成時の自動リスタート)の設定は目標値(PUC、UC、S)の一段階下にするか、または設定しない

  • それまで問題なく通過出来ていた箇所で違和感のあるニアやエラーを出した時は、次のプレーでは手前でPUCペースが切れてもその地点まで通しでプレーする(ニア・エラーが出ないか確認する)

  • 同じ箇所でやり直し続けていると感じたら、(それが最後の難所でない場合は特に)時々最後まで通しでプレーして「その難所さえ抜けられればPUCを出せる」という実感を得ておく

  • そもそも使用しない

 概ね共感の得られる内容かと思いますが、一応それぞれ詳しく語っていきます。


チャレンジ(未達成時の自動リスタート)の設定は目標値(PUC、UC、S)の一段階下にするか、または設定しない

 PUC狙いに限った話ではないので「目標値」と書きました。

 PUC狙いをするのにチャレンジをPUCにする(=ニアかエラーが1つでも出たら強制的にTRACK CRASHする設定にする)のは、「難所が無い」と感じた時に限る、と考えてよいでしょう。
 PUC狙いで、かつ「難所」につまみが含まれず、またエラーを出しやすい片手処理なども含まれないのであれば、チャレンジはUCに設定しても良いと思いますが、基本的にはSに設定するのがベストであると考えています。

 なぜならば、後述する通り、ニアやエラーが出ても続行するべき機会はあります。それを踏まえると、リスタートするタイミングはプレイヤー自身の意思で決めるのが望ましいと考えられるためです。

 また、PUCやUCに設定すると、ニアやエラーの原因が把握できないままやり直しになるおそれもあります。譜面の全体を自分自身で制御しきれるような場合にのみ使用するオプションではないかと思います。


それまで問題なく通過出来ていた箇所で違和感のあるニアやエラーを出した時は、次のプレーでは手前でPUCペースが切れてもその地点まで通しでプレーする(ニア・エラーが出ないか確認する)

 そんなのは時間の無駄だ、と思えるほど簡単な箇所だったならともかく、ある程度密度があったり、少し見切りにくい配置・形をしていたりした場合は、この行為は十分にやる価値があると思います。
 一度失敗した箇所には「失敗した記憶」が結びつきますが、それは「失敗した記憶」が最新のものであればこそです。成功した記憶で上書きしてやることで不安感を払拭できるはずです。

 この「不安感の払拭」、これが何よりもPUC狙いを実らせるために重要なファクターです。
 自信を持って譜面を捌くことが出来るかどうか。そのために、小さな不安も一つ一つ刈り取ってやりましょう。


同じ箇所でやり直し続けていると感じたら、(それが最後の難所でない場合は特に)時々最後まで通しでプレーして「その難所さえ抜けられればPUCを出せる」という実感を得ておく

 一つ前の項と意図するところは一緒です。PUCペースで今つまずいている難所を仮に抜けられたとして、その先の譜面にまだ不安感がつきまとっている箇所がいくつかあるとしたら、きっとまたそのうちのどこかで自信のなさゆえにニアやエラーをポロッと出してやり直すことになります。
 であるなら、不安感は生じた先から潰していくのが吉です。「その難所さえ抜けられたらあとはどうにかなる」という自信を持てばこそ、その難所が抜けられた時にチャンスをモノに出来るはずです。


そもそも使用しない

 出てしまいました。そもそも論です。

 まず考えてほしいことですが、Pフリーを使う最大の理由とは何でしょう

 答えは「試行回数を増やすため」ですよね。
 これについては異論がないと思います。後ろの待ち列に対してより長い時間待たせることで心理的な負荷をかけるためだとか、そんな理由ではありませんよね。ないと言ってください。そんな理由ではないことだけを願います。

 ところが、ここまでの三項で語ってきたPフリーの使い方というのは、「試行回数を増やす」という本来の目的に反しています。より多くの回数を試行するなら1プレーごとの時間は少ない方が良いし、ニアやエラーが出次第リセットする方が合理的・効率的ですよね。
 しかしそれを承知の上で、僕はこのやり方を推奨します。「PUC狙い」においてはメンタルの維持が最重要で、それは試行回数だけで解決できるような問題ではないからです。


 で、ここまで述べてきて一つ疑問が生じるわけなんですが。

「その粘着、Pフリーでやる必要ある?」

ということです。

 試行回数を増やすよりも先に、不安の残る箇所を出来る限り無くすのが大切であるという論に基づけば、「不安の残る箇所を出来る限り無くす」ようなプレーをするのがPUC狙いよりも優先されるべきですよね。
 それってもしかして、気兼ねなく通しでプレー出来るスタンダードのモードの方が適しているのでは……?


 まだまだ不安な箇所が多く残っているようであれば、Pフリーを使うのはそれらに自信がついてきてからでも全く遅くありません。
 いわゆる「噛み合い待ち」と呼ばれるような状況になってから、試行回数を稼ぐ目的でPフリーを活用することをおすすめします。



おわりに

 なかば備忘録的に書き始めたので、そこまで重たい文量を書くつもりはなかったんですが、気付けば約7,300文字という結構な量になってしまいました。

 「PUC狙いが上手くいかない」という人たちに伝えたい精神面のアドバイスはほぼ表現できたのではないかなと思います。
 フィジカル面のアドバイスは……またの機会か別の誰かにお譲りします……。

 

 それでは、「PUC狙い」に苦しむ全てのあなたが少しでも救われることをお祈りしております。

 お疲れ様でした。

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