「癖」の原因と対策について書きます。

 こんにちは。うっでぃです。

 最近ボルテばかりやっています。ボルテという、何の譜面をやっても死ぬほど癖がつきやすいゲームをやっているからこそ、「癖」についての理解が深まったような気がするので、それについてちょっとまとめてみようと思いまして、そういう記事を書きました。よろしくお願いします。


「癖」という現象について

 まず、僕の考える「癖」という言葉の定義は、「ある譜面をプレーしている際に、プレイヤー自身が意図しない動きを起こしてしまう(それによってミスなどが出てしまう)状態」です。

 これは以前、はてなブログで僕が書いた「癖」に関する記事からの引用です。ある程度納得のいく説明が出来たと自負しているので、まずはそちらをお読みいただければと思います。親切なのでURLを貼っ付けておきます。

https://woody-the-ojiya.hatenablog.com/entry/2019/03/16/013959

 要するに、「音ゲーやってる時って大体無意識的な動作なんだけど、意識的な動作が入ってくると体がこわばって出来なくなっちゃうんだよね〜」というような話をしています。

 この記事を出した時はそれなりの反響をいただいたんですが、今思うとこれは「癖」という現象について話していただけで、その発生の原因、発生の経緯については一切説明出来ていないんですよね。

 「風邪ってどういうものですか?」と訊かれて、「咳とか鼻水とか熱とか頭痛とかが起きるやつです」と説明出来ても、「どうして風邪を引くんですか?」と訊かれた時に何も答えられなかったらなんの解決にもならない。

 だから、今回は「どうして癖がつくのか?」「どうすれば癖がつかないのか?癖が抜けるのか?」について、踏み込んで考察していきたいと思っている所存です。


「癖」の原因について

 めちゃくちゃ単刀直入に言いますが、「癖」の原因は結局のところ「譜面が認識できていない」ことにあると考えています。

 「それいわゆる地力不足と何が違うの」という疑問が当然湧いてくると思いますので、そこの補足的な説明を出来るように話を進めていくとしましょう。


 「譜面が認識できていない」と言いましたが、より実態に即して言うなら、「譜面の認識を阻害されている」という方が正しいでしょう。

 一般に、「癖がつきやすい譜面」というのは、得てして「見た目は単純(または理屈で分解するのが容易)だが、動きは複雑になる」という特徴があります。

 以下に例となるような譜面を画像で示していきますが、危険なので絶対に一つの画像を凝視するなどの行為はやめましょう。



(安全性を考慮した若干の余白)








・THE SAFARI(SPH)

画像1


・reunion(SPA)

画像2


・INF-B ⦅L-aste-R⦆(EXH)

画像4


・Everlasting Message(GRV)

画像4




 プレーしたことがある方は実感をもってお分かりかと思いますが、例に挙げた4つはすべてやればやるほど出来なくなる譜面であると言わざるを得ません。

 この中だとTHE SAFARI(SPH)だけ見た目が言うほど単純でないため、主旨とズレる節はある(あまりにも有名なので外すに外せなかった……)ものの、どれも「見た目は単純(または理屈で分解するのが容易)だが、動きは複雑になる」という点においては、適切な例であると思います。

 どの譜面にしても、パッと見で「あー、こういう構造をしてるのね」と分かるのは早いですが、それは決して「どう指を動かしたら押せるか」が分かることを意味しません。それどころか、「こういう構造をしている」と理解してしまうことによって「じゃあどういう風に指を動かそうかな」と思考し始めるという、音ゲーにおける本来の操作から一番遠のいたやり方を選んでしまうのです。

 「音ゲーにおける本来の操作」とはつまり、「現れたノーツを視覚的に捉えることとノーツに対する的確な動作を行うことを同時並行で処理し続ける」というもののはずですが、癖がついた場合にはこれが「視覚的に捉えたノーツに対し、的確な動作を思考することにリソースが割かれ、同時並行の処理が崩壊する」となってしまっているのではないかと思います。

 音ゲーの実力のことを言う「地力」という言葉は、ひとえに上記で言うところの「同時並行処理の能力の高さ」を指しており、その尺度は「ノーツの密度の高さ」及び「処理操作の難しさ」である(=より密度が高い譜面 or 押しづらい譜面を捌けるほど地力が高い)と僕は考えています。そして、「地力不足」と「癖」との最大の違いは、同時並行処理の崩壊の原因が「ノーツの密度・譜面の難しさ」にあるか「ノーツ(または譜面)の形」にあるかである、と言えるでしょう。


 ここまでをまとめると、「癖」の原因とは

「一目には形が分かりやすい譜面」によって「どのように押すか」に意識が集中してしまうことで、音ゲー本来のやり方である「認識」と「操作」の同時並行処理が崩れること

ということになるでしょう。

 では、これを踏まえた上で、癖に対する対処法について考えてみます。


どうすれば癖を抜けるのか

 さて、初めに断っておきたいことがあります。

 僕自身、めちゃくちゃ癖がつきまくってどう頑張っても取れない譜面はナンボでもあります。

 つまり、僕がこれから提示する方法は別に万能でもなければ、「有意に効果がある」と言えるわけでもありません。

 それでも、少なくともエアプではない(実際に癖が抜けた経験もあります)ので、誰かの一助にはなると信じております。


 上記のことに留意した上で、以降の文章はお読みいただければと思います。


 では、僕が癖を抜こうとする際にまず何よりも念頭に置いていることをお伝えしようと思います。

 それは、「とにかく「どう押すか」から意識を逸らす」ということです。

 ここまで書いてきた内容に沿って考えれば、「癖」を抜くことの骨子とは「同時並行処理を崩さないこと」にあります。であるならば、その同時並行処理を崩す要因であるところの「押し方を思考すること」をシャットアウトすることが最も近道であることは火を見るよりも明らかです。


 その具体的な方法として挙げられるものは、以下の通りでしょう。一応、僕にとってどれくらい効果を感じられたかを三段階(高・中・低)で評価し、その理由も書いて添えておきます。


譜面を暗記して(必要に応じて運指を組んで)練習する

→中……正攻法ではあるが、手間がかかる。また、譜面によっては運指が組めなかったり、動作が直感的でないとむしろ押せなくなったりと、解決しない場合もある。

・譜面を忘れるまで放置する

→低……一度でも癖のついた譜面というのは大抵「癖がつきやすい譜面」なので、やり直しても結局同じ癖がつく可能性が高い。ただし、放置した期間に地力が伸びていれば、そもそも癖がつかなくなることもある。

・絶対に押せる箇所に意識を集中する

→高……複雑な箇所を意識の外に置けるので、地力で押せる範疇ならば結構捌けるようになる。

・「認識」に意識を集中する

→高……自分にとって一番ベストに地力が発揮できる目線の位置を保つことだけに集中するという、癖が抜けるというより癖がつきにくくなる方法。「癖がつかないようにするためには、癖がつかないようにする」という小泉進次郎構文のような内容だが、癖の根本原因を考えるなら一番真っ当ではあると思う。


 以上4点が、僕の考える「癖の抜き方」の具体的方法です。

 一般に広く言われている対策は前2点(覚える、放置する)であると認識していますが、これが広く言われているのにはれっきとした理由があると思っています。それはおそらく、おそらくですが、

「バカでも分かるから」

ではないかと思います。多分。きっと。

 正直なところ、前者2点の対策は僕にとっては焼け石に水でしかなかったし、僕の理想のプレイヤー像からはかけ離れた方策だったので、「意識の問題」には「意識を駆使した方法」で対処したいと考え、この手法を得るに至りました。

 ちなみに、文面からお察しの方も多いとは思いますが、僕がもっぱら活用しているのは4点目の「「認識」に意識を集中する」という方法です。ちゃんとこの方法でプレー出来ているならば、自分が「癖」だと思っていたものが実はただの「地力不足」に過ぎませんでした、と気付くきっかけにもなり得ます。それはひいては自分の本来の地力を把握することにも直結しますし、健全に成長するにあたっても良い効果をもたらすのではないかと、僕は考えています。


おわりに

 長々と「癖」の原因と対策について述べてきましたが、少しでも何か意味のある文章をお届けできたでしょうか?

 ぶっちゃけた話、書き始めた当初から「これは絶対先人たちが考察してきたことの焼き増しになるな……」という懸念はありました。実際そうなったように思います。

 とはいえ、「何を言ったか」以上に「誰が言ったか」が大切になることはここインターネットでも通用するようですし、そんな中で僕が書いたという事実に説得力を感じてくれた人が多少なりともいてくれたならば、それはとても喜ばしいことです。


 それでは、皆さんの癖との戦いの日々が少しでも楽にならんことをお祈りしています。

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